education · Class 04 · 約15分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Education クラス04 はじめての一局を導く
原典: Lore Guide Institute, Education Class 04 “Guiding the First Game” https://institute.lorcanajudges.com/learn/education-04-guiding-the-first-game/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約15分 / シナリオ演習(クラス小テストはありません)
対象: 体験プレイを始めるところまではできて、これから学ぶ人の判断を奪わずに、実際のターンを導く必要があるロアガイド。
先に読むことを勧めるクラス: Education クラス03「体験プレイを始める」/ルール クラス02「ターンの構造、ステップとフェイズ」/ルール クラス09「上級ルール・ラボ II: ダメージ、チャレンジ、置換効果」
このクラスで身につくこと
- 学ぶ人がプレイの持ち主であり続けるための、声かけの4段階を使える
- クエスト、チャレンジ、ダメージ、退場を、盤面がそれを必要とした時点で教えられる
- 手順の間違い・戦術上の間違い・間違ったルールの思い込みに、それぞれ適した応じ方を選べる
- 情報を開くことと取り消しを、一時的な学びの支えとして使い、そのまま据え置かない
- 理解できている証拠を行動から集め、はじめての一局の最中から声かけを減らし始められる
クラス03 は、学ぶ人がインクを作り、コストを支払い、キャラクターを出し、手助けつきのゲームを始めたところで終わりました。このクラスは、その一局をターンごとに追いかけます ―― 最初の声かけ、学ぶ人の最初の選択、最初のチャレンジ、最初の間違い、そして手助けが少し減った次のターン。
学ぶ人は自分のカードを自分で扱い、本物の選択をし、その結果を見て、ターンごとにあなたを少しずつ必要としなくなっていきます。
01 最初の声かけ
学ぶ人はインクをレディにし、ドローし、手札を見ます。
**教える側は、「正しいプレイ」を生み出しながら「学び」を止めてしまえます。**どのカードをインクにするか、どのキャラクターを出すか、クエストするかどうかを言ってしまえば、学ぶ人は駒を動かすだけで、判断の練習をしません。
役に立ちそうなもののうち、いちばん指示的でない声かけを使ってください。
| 段階 | 声かけの型 | 例 | 使うとき |
|---|---|---|---|
| 1 | 開かれた問いかけ | 「まず何をしたいですか?」 | 学ぶ人が、もう自分で進められるかもしれないとき |
| 2 | 注意を向ける | 「インクをレディにしたことで、何が変わりましたか?」 | 必要な情報を見つけるのに手助けが要るとき |
| 3 | 選択肢を絞る | 「このキャラクターでクエストしますか、それともレディのままにしておきますか?」 | 選択肢が広すぎて、抱えきれなくなっているとき |
| 4 | 直接の説明 | 「そのキャラクターは塗りたてなので、このターンはチャレンジできません。」 | ルールがそもそも無いとき。または、そのまま練習すると間違ったルールが身についてしまうとき |
学ぶ人の様子がもっと手助けを必要としていると示さない限り、段階1から始めます。下りるときは一段ずつ。そしてうまくいったら、開かれた問いかけのほうへ戻ります。
直接の説明は失敗ではありません。学ぶ人がまだそのルールを持っていないときには正しい道具です。問題になるのは、それが判断の全部を置き換えてしまったときだけです。
新しいプレイヤーは、盤面を見渡し、カードを読み直し、質問の形にするまでに数秒かかることがあります。一度聞いたら、学ぶ人のカードから手を離し、その沈黙を許してください。
「いちばん良い手はどれですか?」と聞かれたら、手助けを引っ込めずに、判断だけを返します。
「選択肢を見比べるお手伝いならできます。このターンで何をしたいですか?」
そのうえで、学ぶ人が量れる形で、それぞれの結果を挙げます。代わりに選んでおいて、それを授業のように見せかけてはいけません。
押さえどころ(訳者のまとめ): 段階1から始め、一段ずつ下り、できたら戻る。
クラス演習 · ES-03「選ぶのを助ける」第2場面(全7場面)
教えるためのゲームで、学ぶ人のメインフェイズです。学ぶ人の《ミニーマウス – 愛されプリンセス》はレディで、乾いていて、ダメージなし。相手の《ミッキーマウス – 蒸気船の操舵手》はエグザートしていて、ダメージが2。どちらも能力を持たず、クエストやチャレンジを変える効果もありません。学ぶ人のロアは6。
《ミニーマウス - 愛されプリンセス》 コスト 2
キャラクター ・ ドリームボーン ・ プリンセス
インクウェル・シンボル あり
能力なし
攻撃力 2 / 意志力 3 / ロア 1
→ レディ・乾いている・ダメージ 0
《ミッキーマウス - 蒸気船の操舵手》 コスト 3
キャラクター ・ ストーリーボーン ・ ヒーロー ・ キャプテン
インクウェル・シンボル あり
能力なし
攻撃力 3 / 意志力 4 / ロア 1
→ エグザート・ダメージ 2
学ぶ人のロア: 6
「《ミニーマウス》はクエストするのと、《ミッキーマウス》にチャレンジするの、どっちがいいですか?いちばん良い手は?」
どちらもできることは分かっていて、まだ選べていません。
どうやって見比べるのを助けますか。
口に出すか書き出すかしてから、次の行動を選んでください。
- A 《ミッキーマウス》を退場させられるので、チャレンジするように言う
- B 何をしたいのかを聞いてから、得られるロアとチャレンジの結果を見比べる
- C この判断は手助けなしでしてもらう、と言う
訳注: この演習はサインインすると原文サイトで取り組めます。**正解の発表は原文側にあるため、ここには載せていません。**上の 01節(声かけの4段階)と、下の 05節(学ぶ人の選択)が判断の材料になります。
02 ターンは、盤面から
ターンの始めに、学ぶ人は レディ・セット・ドロー を順に行います。〔1〕必要ならターンの手順表を指し、学ぶ人がその流れをやって見せられるようになったら、3つの言葉を繰り返すのはやめてください。
メインフェイズでは、できるターン行動を好きな順で、しかもルールが制限していない限り同じ種類を何度でも行えます〔2〕。通常のインクの行動は1ターンに1回に限られます。〔3〕
毎ターン、行動の一覧を唱えないでください。学ぶ人の参照先は盤面です。
- レディのインクがある → コストを支払える
- 乾いていてレディのキャラクターがいる → クエスト、チャレンジ、エグザートを使う能力ができる
- 相手のエグザートしたキャラクターがいる → チャレンジの適正な相手がいる
- 手札のカード → このターンの「出す」か「インクにする」かの判断
あなたの言葉は、注意を卓に向けるためのものです。卓と張り合ってはいけません。
03 最初のクエスト
**学ぶ人に、乾いていてレディのキャラクターがいます。**ひとつの行動の中で、4つをつなげてください ―― キャラクターを選ぶ / エグザートする / ロア値を読む / トラッカーをその分動かす。
そのうえで目的に戻ります(先に20ロアに届いたプレイヤーが勝ち〔4〕)。**「いまのクエストで、何に近づきましたか?」**と聞いてください。
**エグザートすることの結果を、ここで全部足さないでください。**そのキャラクターにチャレンジできる相手のキャラクターが現れたときに、何が変わったかを聞きます。危険は、抽象的な警告としてではなく、行動の結果として訪れます。
04 最初のチャレンジ
**学ぶ人にレディのキャラクターがいて、相手にエグザートしたキャラクターがいるまで待ちます。**そこで、ふつうの場合を教えます。
- チャレンジできるレディのキャラクターを選ぶ
- 相手のエグザートしたキャラクターを選ぶ〔5〕
- チャレンジするキャラクターをエグザートする〔6〕
- 2体は同時に、それぞれの攻撃力に等しいダメージを互いに与える〔7〕
- ダメージ・カウンターを置き、それぞれの合計を意志力と比べる
ダメージは、効果が取り除くかカードが場を離れるまで、カウンターとしてキャラクターに残り〔8〕、状況起因処理が「意志力以上のダメージ」を見つけたとき、そのキャラクターは退場します。〔9〕
最初の例では、チャレンジに関わる能力が場に無い盤面を選び、カウンターは学ぶ人に置いてもらい、「なぜこのキャラクターは残って、こちらは退場したのか」を説明してもらってください。
チャレンジのタイミング、条件、制限、変わったダメージの効果は後回しです ―― いま見えているカードがそれを必要としている場合を除いて。正確であることは、網羅することを要求しません。
押さえどころ(訳者のまとめ): 意志力以上のダメージを負ったキャラクターは、状況起因処理で退場する。〔9〕
05 学ぶ人の選択
あなたは、何が適正で、目に見える結果として何が起きるかを説明します。どちらの結果を選ぶかは、学ぶ人が決めます。
クエストかチャレンジかの判断なら、こう聞きます。
- クエストすると、ロアはいくつ増えますか
- そのあと、相手のどのキャラクターがこちらにチャレンジできますか
- 2体はそれぞれ何ダメージを与えますか
- このターンやりたいことに、どちらが合っていますか
手札を見せ合っている教えるためのゲームでは、見えているカードは説明を支えるためにあります。自分の手札に勝てるほうへ学ぶ人を誘導するために使ってはいけません。
06 最初の間違い
すべての間違いが、同じ応じ方に値するわけではありません。
| 場面 | 応じ方 | 理由 |
|---|---|---|
| 害のない手順のうっかり | 短く直して、そのまま続ける | 学ぶ人に要るのは手順であって、尾を引く結果ではない |
| 結果が役に立つ、戦術上の選択 | そのまま通す。または考え直す機会を出す | その結果が、判断を記憶に残す |
| そのまま練習すると身についてしまう、ルールの誤解 | 止めて、その場で直す | 間違ったルールを練習で固めてはいけない |
| こちらの説明があいまいだったせい | はっきりさせて、公平な選択をやり直させる | 不明確な説明の代金を、学ぶ人に払わせない |
- ドローを忘れたら ―― ターンの手順表を指し、そのステップを済ませてもらいます
- クエストした結果、そのキャラクターがチャレンジされうる状態になったら ―― 盤面に危険を見せてもらうことを考えてください
- 「相手のキャラクターならどれにでもチャレンジできる」と思っているなら ―― 行動が進む前に、対象のルールを直します
教えるためのゲームでの取り消しは、学びの支えであって、勝ち負けの押し問答ではありません。
「そのまま進めて、どうなるか見てみますか?それとも、結果が分かったので取り消しますか?」
学びの場での間違いに、大会の罰則や手続き上の形式を当てはめないでください。
訳注: 原文の “takeback” は、プレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)で定義された用語でもあります。日本語版は公開されていないため、この訳では「取り消し」とし、原語を併記しています(要確認)。ここで話題になっているのは教えるためのゲームでの取り消しで、大会での手続きとは別のものです。
07 カードのテキストが働くとき
能力が関わってきたら、Education クラス05 が土台にする短い流れを使います。
- 気づく ―― カードと、そのテキストが効いてくるきっかけになった出来事を指す
- 読む ―― 学ぶ人に読んでもらうか、一緒に読むことを申し出る
- 言い換える ―― いますぐ起きることを、平たい言葉で言う
- やる ―― 選ぶのも、カードを動かすのも、すべて学ぶ人
- 確かめる ―― 何が変わったかを聞いて、ターンに戻る
**カードの中の語が、いまの行動に関わらないなら、それは待てます。**学ぶ人から聞かれたなら、その狭い質問にだけ答えるか、あとのために書き留めておきます。
08 聞かずに、行動で確かめる
「ここまで大丈夫ですか?」は、礼儀としての「はい」を生むだけで、何も示しません。代わりに、行動を頼んでください。
- 「ターンの始めに何をするか、やって見せてください。」
- 「インクにできるのはどのカードですか?」
- 「それぞれのキャラクターは、何ダメージ受けますか?」
やってもらったあとは、説明し返してもらいます。
「いま私が途中から来て、そのターンを見ていなかったとします。クエストで何が起きたか、どう説明しますか?」
探すのは、学ぶ人自身の言葉による、正しく働く理解の形であって、正式な言い回しではありません。
押さえどころ(訳者のまとめ): 「分かりましたか?」は情報をくれない。「やって見せてください」はくれる。
09 次のターンは、手助けを減らして
**手助けを減らすのに、一局の終わりを待たないでください。**学ぶ人がある行動を正しくできたら、次の機会に、声かけをひとつ外します。
| 学ぶ人が見せた証拠 | 教える側の次の一手 |
|---|---|
| 促されて レディ・セット・ドロー をやり切った | 次は、ターンの手順表を黙って指す |
| 手順表を見て、自分で流れをやり切った | 次のターンの始めは、声をかけない |
| 適正にインクにできるカードを、正しく選べた | 「インクを作りますか?」とだけ聞く |
| クエストを正しく説明できた | 次のクエストは、実況せずに進ませる |
| ふつうのチャレンジのダメージを計算できた | 順を追わず、結果だけを聞く |
うまくいかなくなったら、役に立つ最小限の支えを戻してください。手助けを減らすのは学ぶ人に応じることであって、決まった回数を消化することではありません。
よく導かれたはじめての一局が終わるころには、学ぶ人は土台になる行動を自分の手で済ませており(その一覧は Education クラス08 にあります)、戦術上の選択を、あなたに選んでもらわずに済ませているはずです。
その一局で、すべてのカードタイプやキーワード能力を出す必要はありません。残ったものは次の一局のために書き留めてください。複雑さをわざわざ作り出すのではなく。手助けが外れる2局目は Education クラス07 が扱います。
10 練習: 声かけの点検
**練習の一局の間、教える側の口出しを、声かけの4段階の 1・2・3・4 で記録してください。**終わったあと、3つを振り返ります。
- 教える側は、学ぶ人に必要だった段階より指示的なところから始めていなかったか
- 最後の戦術上の選択は、学ぶ人がしたか
- うまくいった行動のあと、声かけは指示的でなくなっていったか
そのうえで ES-03「選ぶのを助ける」に取り組みます。実際のカードの数値で、クエストとチャレンジを見比べ、抜けていたルールに答え、そして「適正な選択」「ルールの間違い」「自分の説明が不明確だったこと」の3つに、それぞれ違う応じ方をする練習をします。
11 出典と、さらに学ぶための資料
- Disney Lorcana: How to Play
- Disney Lorcana Gateway ―― 段階を追ってプレイへ入っていく道筋を示している
- Guided play and learning: a systematic review and meta-analysis(手助けつきのプレイと学習 ―― 系統的レビューとメタ分析)
**次は Education クラス05。**複雑さを抑える話です ―― 新しいカードや質問が出てきたとき、何を説明し、何が待てるのか。
出典の番号について
訳注: 本文中の〔1〕〜〔9〕は、原文の上付き番号をそのまま残したものです。番号は振り直していません。 内容から、いずれも総合ルールの各節(ターンの構造、メインフェイズの行動、インクの行動の回数、勝利条件、チャレンジの手順、ダメージ、状況起因処理)を指していると読めますが、節番号までは確認できていません(要確認)。 なお、日本語版の総合ルールでは対応するルールは次のとおりです ―― レディ 3.2.1 / セット 3.2.2 / ドロー 3.2.3 / ロア20以上で勝利 1.11.3 / 意志力以上のダメージで退場、状況起因処理で判定 1.8.1。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| prompt ladder | 声かけの4段階 | |
| fading | 手助けを減らしていくこと | 決まった回数の消化ではない |
| teach-back | 説明し返してもらう | |
| turn aid | ターンの手順表 | |
| takeback | 取り消し(takeback) | **日本語版の定訳は未確認(要確認)。**ここでは教えるためのゲームでの取り消し |
| Ready / Set / Draw step | レディステップ/セットステップ/ドローステップ | 総合ルール 3.2.1〜3.2.3(中黒なし) |
| turn action | ターン行動 | 総合ルール 4章 |
| game state check | 状況起因処理 | 総合ルール 1.8 |
| banish | 退場 | |
| drying / dry | 塗りたて/乾いている | 総合ルール 5.1.1.11 / 5.1.1.12 |
| Strength / Willpower | 攻撃力/意志力 | |
| damage counter | ダメージ・カウンター |
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。