enforcement · Class 01 · 約17分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス01 エントリーレベルとカジュアルなイベント
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 01 “Entry-Level and Casual Events” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-01-entry-level-events/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約17分 / 小テスト10問
対象: リーグ戦の夜、プレリリース、店舗での午後のプレイなどでロアガイドを務めようとしている方。先に ルール クラス01 を読むことを勧めます。
このクラスで身につくこと
- 3つの大会レベルで何が変わるか、そしてどのレベルでも試合中の誤りを扱う文書は同じであることを言える
- 問題を、それを担当する役割へ回せる。そしてリードロアガイドだけができることを言える
- プレイ修正指針の2つの訂正措置の欄を、いまのレベル名と突き合わせて読める
- エントリーレベルのイベントで起きた正直な誤りを Caution で扱い、一方で公正さに関わる項目は書かれたままの強さで適用できる
- ふつうの卓での会話と、プレイへの助言とを区別し、Outside Assistance の修復手順を両方とも実行できる
訳注: この教材では、違反の名前と訂正の措置の名前を英語のまま残し、初出で日本語の説明を添えます。 根拠となるプレイ修正指針(Play Correction Guidelines, PCG)の日本語版は公開されていないため、 日本語だけにすると原典に当たれなくなるからです。訳語を勝手に作らない方針です。
プレリリースの2時間目です。プレイヤーがあなたを呼びます。そのターンのドローで1枚のところを2枚引いてしまった、本人がそれに気づいた、しかし対戦相手は「気にしなくていい」と言っている ―― 2人ともあなたを見ています。
ここでルールが言うことは、世界選手権でもまったく同じです。変わるのは、文書があなたに与える訂正の措置がどれになるかと、その対応のうちどれだけが「教えること」なのか、です。このクラスは、その違いについてのクラスです。
01 3つのレベル
大会ルール(Tournament Rules)はイベントを3つのレベルに分けますが、すべてに共通する一文があります。どの大会でも、試合中の誤りはプレイ修正指針で扱う。〔1〕PCGは常に適用されます。レベルが変えるのは、PCGの2つある欄のどちらを読むかと、プレイヤーにどこまでの知識を期待するか、だけです。
Entry-level(エントリーレベル)のイベントは、より緩やかなルールで運営され、賞品は少なく、無いこともあります。真剣勝負ではない場のためのもので、経験の浅いプレイヤーを歓迎する場にすることがトーナメント主催者の責任とされ、掲げられている目的はすべての人にとって楽しく、学びになることです。大会ルール自身が挙げている例がプレリリースです。〔1〕
**Competitive(競技)**のイベントは、より真剣なプレイのためのものです。ルールは厳しく、期待される水準は高く、独自の、時に大きな賞品が出ます。プレイヤーは大会ルールを知っていることが期待され、PCGの訂正の措置のいくつかはこのレベルで変わります。例として挙げられているのはセットチャンピオンシップです。〔1〕
Premier Play は最上位です。焦点は競技であり、賞品は大きく、プレイヤーは大会ルールとPCG全体を理解していることが期待されます。例はチャレンジイベントと世界選手権です。〔1〕
「歓迎する」「学びになる」は、大会ルールが Entry-level のイベントに課している要件であり、卓でそれを実行するのはあなたです。ここでは誤りが起きて当然です。プレイヤーと楽しい夜との間に立ちはだかるためではなく、その人をゲームへ戻すためにルールを使ってください。
訳注: レベル名は、日本語版イベントルール 1.2 で エントリーレベル/競技/プレミアプレイと呼ばれています(「カジュアル」の語は使われていません)。 原文の英語名も併記してあります。
02 誰が何を担当するか
大会ルールは7つの役割を定義しています。〔2〕7つ全部を知っていれば、問題を当てずっぽうではなく正しい相手へ回せます。
図1 ・ イベントで誰が何を担当するか
| 何について聞くか | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| イベントの運営 | Ravensburger からの許可、会場、告知、スタッフ、資材、結果の報告 | トーナメント主催者(Tournament Organizer)TR 2.1 |
| 試合結果 | Ravensburger Play Hub 上での、すべての結果の記録と、すべての組み合わせの生成 | スコアキーパー(Scorekeeper)TR 2.4 |
| ルールの対応 | 卓での、ルールの質問と、プレイ中に起きた誤り | ロアガイド TR 2.3 |
| 最終的な裁定と不服の申し立て | どのイベントにも1人いて、会期を通じて会場にいる。ルールや方針についての争いはこの人で終わり、不服の申し立てへの裁定は最終 | リードロアガイド TR 2.2 |
1人が複数の役割を兼ねられるか(TR 2.2 および 2.4)
- Entry-level: トーナメント主催者がリードロアガイドを兼ねてよい
- Competitive と Premier Play: 主催者とリードロアガイドは別の2人でなければならない
- 小規模な大会: スコアキーパーは主催者またはロアガイドを兼ねてよく、必要なロアガイドはリードロアガイド1人で足りることが多い
バッジが示すのは習熟であって、序列ではありません。
PCGの欄と、大会ルールのレベル
| PCGの欄 | 大会ルールのレベル |
|---|---|
| Casual(カジュアル) | Entry-level |
| Competitive(競技) | Competitive と Premier Play |
PCGの欄の名前は、いまのレベル名より古いものです。この対応付けは Institute の読み方です。
図1の内容: 4種類の問題がどこへ行き、それぞれ誰が決めるのか。どの役割を、どのレベルで1人が兼ねてよいのか。 そして、PCGの2つの訂正措置の欄が、大会ルールの3つのレベルとどう並ぶのか。各役割の責任は大会ルール自身のもの〔3,4,5,6〕で、 2つを兼ねる規定も同じです。〔1〕欄とレベルの対応付けは、古い文書を新しい文書に照らした Institute の読み方です。〔7〕
7つのうち4つが図1にあります。リードロアガイドについては、あと4文ぶん書く価値があります。4つのことが、この人だけのものだからです。どの大会にも必ず1人いなければならず、主催者が指名し、会期を通じてその場にいます。Entry-level では主催者が兼ねてよく、Competitive と Premier Play では別の2人でなければなりません。〔4〕ルールや大会の方針についての争いはリードで終わり、不服の申し立てへの裁定は最終です。稀かつ例外的な状況に限り、イベントを守るために書かれた方針から離れてよいのはリードだけです。試合中にカードが傷んだり壊れたりしたときに代替カード(proxy)を用意し承認できるのもリードだけです。そして Competitive と Premier Play では、プレイヤーが失格になったり、その他の理由で退場になったりしたとき、リードが報告書を書き、公式の Disqualification Form で提出します。〔4〕
不服の申し立ては、**あなたへの侮辱では決してありません。**文書がすべてのプレイヤーに与えている権利です。Enforcement クラス14 で、申し立てる側と受ける側の両方を扱います。
残る3つの役割が、卓で起きることを形づくります。
プレイヤーにも責任の一覧があり、そのうち2つはあなたの仕事に直接関わります。〔8〕ひとつ、プレイヤーはできる限り正しく対戦相手に伝える必要があります。これは礼儀ではなくルールで、のちのクラスがこの上に積み上がります。もうひとつ、プレイヤーは、自分の試合であれ他人の試合であれ、目にしたルールや方針の違反を、速やかにトーナメント管理者へ知らせなければなりません。これはイベントに参加するうえでの責任として列挙されていることなので、あなたのところへ問題を持ってくるプレイヤーは、文書が求めていることをしているわけです。この節は、覚えておく価値のある一文で終わります。ロアガイドがどんな手助けをしても、これらの責任が無くなるわけではない。
観戦者は、その場にいる人のうち、役員でも試合中のプレイヤーでもない人すべてです。静かに、目立たないでいることが求められ、ルールの違反を見たときの手順が正確に定められています。プレイヤーにゲームを止めてもらい、ロアガイドを呼びに行き、自分が見たことはプレイヤーに何も話さない。そうすれば、状況が正しく処理されます。〔9〕プレイヤーは、ロアガイドを通じて、特定の観戦者に自分の試合を見ないよう求めることもできます。また、ゲームの行動を行うのに身体的な介助が必要なプレイヤーは、指名した観戦者に手伝ってもらえます。その介助者は、プレイヤーが何をしようとしているかをはっきりさせるための簡単な質問はしてよく、プレイへの助言は決してしてはいけません。
Broadcast Representative(配信担当)は、イベントの中継、配信、写真、映像を担当し、主に Premier Play に現れます。配信卓には、座席、マイク、長めの準備時間といった追加の手順が付くことがあり、ロアガイドが試合前にプレイヤーへ説明します。〔10〕
訳注: Tournament Organizer / Scorekeeper / Broadcast Representative / Tournament Official の 日本語版イベントルールでの呼び方は トーナメント主催者(2.1)/スコアキーパー(2.4)/ 放送担当者(1.4)/トーナメント管理者(1.5) です。
03 2つの欄
PCGのどの違反の項目を開いても、訂正の措置は2回書かれています。Casual 用と Competitive 用です。PCGは2024年5月の日付で、いまのレベル名より古い文書です。その Casual の欄が、大会ルールがいま Entry-level と呼ぶレベルに当たり、Competitive の欄が Competitive と Premier Play の両方を司ります。後者は、プレイヤーが方針を知っていることを期待され、大会ルールが「一部の訂正の措置は変わる」と述べているレベルです。〔1〕
プレリリースでプレイヤーに「PCGには自分のイベントのレベルが載ってすらいない」と言われたら、答えはこれです。文書が名前より古いだけで、仕組みは同じものです。
04 冒頭の対応に戻る
2枚引いてしまったプレイヤーの話に戻ります。これは Card Count Error(カード枚数の誤り)で、Entry-level のイベントでの訂正の措置は Caution(注意)です。〔11〕
Caution はもっとも軽い訂正の措置です。同じ誤りが起きないよう、より注意深くプレイするよう注意を促すもので、記録も追跡もされません。〔7〕書類もなく、積み上がるものもなく、段階が上がる道もありません。権限を持って伝える、一文のコーチングです。
ですから対応はこう進みます。**Enforcement クラス04 にある、その項目の修復手順でゲームの状態を直す。何が間違っていたのかを一文で伝える。試合を再開させる。**このレベルでは、**Rule Errors はどれも同じ結末になります。**Casual の欄では、4つの項目すべてが Caution だからです。〔12,13〕上位のレベルで Caution と Warning がどう記録され、どう段階が上がるかは Enforcement クラス03 で扱います。
プレイヤーが一番よく間違える事実は、いま書いたことです。Caution は決して記録されません。
05 Casual の欄が厳しいままのところ
同じ欄でも、試合の公正さや、会場の安全が懸かっているところでは緩みません。
- Outside Assistance(外部情報の参照)は、カジュアルなイベントでも Game Loss(ゲームの敗北)です。〔14〕
- Cheating(不正行為)は、両方の欄で Disqualification(失格)です。〔15〕
- 重大な非スポーツマン的行為は、リーグ戦の夜でも Premier Play とまったく同じように、Match Loss(マッチの敗北)や Disqualification を伴います。〔16,17〕
これらの項目は、どのレベルでも書かれたとおりの値で適用してください。Entry-level のイベントは、プレイヤーがどこに線が引かれているかを学ぶ場所です。ここで緩めることは、線は動くものだと会場に教えることになります。
店舗での実際の場面で考えてみます。2つ向こうの卓で、プレイヤーの友人が観戦しています。プレイヤーが迷い、友人が「でかいので行けよ」と言いました。PCG自身の例がここに線を引いています。友人にクエストを促すのはプレイへの助言であり、友人に「自分の試合は勝ったよ」と伝えるのはそうではない。〔14〕ゲームはプレイヤー同士で行われるもので、「プレイヤー+助っ人」で行われるものではありません。〔14〕
修復手順は2つの半分からなり、誰が何をしたかによって、当たり方が違います。助言をした観戦者は、その試合から離れるよう求められます。助言を求めていないプレイヤーには、そのプレイヤー自身への Outside Assistance の Warning(警告)が出ます。〔14〕もしプレイヤーが振り向いて助言を求めていたなら、違反を犯したのはプレイヤーのほうになり、Casual の欄では Game Loss です。〔14〕
**両方の半分を、温かく、どちらについても謝らずに伝えてください。そしてなぜその線があるのかを言ってください。**このレベルでは、「なぜ」を説明することが仕事のほとんどです。
常連には、観戦者の手順を教えておいてください。問題を見た人はゲームを止めてもらい、見たことは言わずにあなたを呼びに来る ―― この手順を知っている常連は、新しい問題を作る代わりに、正しいやり方で問題を持ってきてくれます。
次は Enforcement クラス02。何が起きたのかについてプレイヤーの言い分が食い違う対応を扱います。裁定の前に、盤面とルールから事実を固める方法です。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| corrective action | 訂正の措置 | |
| Caution | Caution(注意) | 記録されない。PCGの日本語版が無いため原語を残す |
| Warning | Warning(警告) | 記録され、のちに段階が上がりうる |
| Game Loss | Game Loss(ゲームの敗北) | |
| Match Loss | Match Loss(マッチの敗北) | |
| Disqualification | Disqualification(失格) | |
| infraction | 違反 | |
| remedy | 修復手順 | ゲームの状態を直す手順。訂正の措置とは別物 |
| Card Count Error | Card Count Error(カード枚数の誤り) | PCG 2.3 |
| Outside Assistance | Outside Assistance(外部情報の参照) | PCG 3.8 |
| Cheating | Cheating(不正行為) | |
| Entry-level / Competitive / Premier Play | 原語のまま | 日本語版イベントルールでの呼称は要確認 |
| Casual / Competitive(PCGの欄) | 原語のまま | |
| spectator | 観戦者 | |
| Tournament Official | トーナメント管理者(要確認) |
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。