enforcement · Class 02 · 約42分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス02 呼ばれたときの対応 II ―― 何が起きたのかを突き止める
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 02 “Taking a Call II: Working Out What Happened” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-02-taking-a-call-ii/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約42分 / 小テスト10問
対象: どのイベントのロアガイドにも。とくに、何が起きたのかでプレイヤーの言い分が食い違う対応や、卓が熱くなってしまった対応のためのクラスです。先に ルール クラス06 を受けてください。対応そのものの進め方はそちらで扱います。
このクラスで身につくこと
- 裁定の前に、プレイヤーの言い分だけでは足りないときを見分けられる
- 盤面を読み、ルールを使って、何が起きたのかを突き止められる
- 争いのあるプレイについて、考えられる説明を並べ、それぞれが他に何を意味するかを確かめ、確かめる手間を時計と比べ、突き止められた範囲で裁定する
- 観戦者からの報告、観戦をやめてほしいという要望、熱くなった卓を処理でき、必要なときに他の役員を呼べる
- その対応が自分の手を離れる地点を見分け、上へ引き継げる
訳注: 原題の “call” はジャッジが呼ばれることを指します。電話ではありません。 機械翻訳では「電話対応」と訳されることがあり、講座の中身そのものを取り違えるもとになります。
ルール クラス06 では、呼ばれたときの対応の進め方を学びました。**時刻を控える、歩いて行く、片方ずつ話を聞く、盤面を固定する、要点を復唱する、裁定する、時間延長を告げる。**この手順は、何が起きたかについては2人の意見が一致していて、ルールだけが問題になっている対応を片付けます。
このクラスは、それ以外を扱います。同じターンについて2通りの話が出てくることがあります。卓のカードが、どちらの言い分とも合わないことがあります。卓が熱くなりすぎて、誰もあなたの質問に答えないことがあります。
**ルール クラス06 の手順は、そのまま走らせます。**そこに足すのが、何が起きたのかを突き止める方法と、ルールの質問ではない対応のための手順と、必要なときに他の役員を呼ぶ習慣です。
01 プレイヤーの言い分だけでは足りないとき
たいていは、プレイヤーの言うことを信じてかまいません。2人の話が一致し、盤面もそれと合っているからです。次のようなしるしが見えたら、速度を落としてください。
- 裁定を変えてしまう事実について、2人の言い分が食い違っている
- どちらの話でも説明がつかないものが盤面にある
- 手札、インクウェル、ロアの合計のどれかが計算に合わない
- プレイヤーが宣言しているはずのことを、どちらも覚えていない
- 最終ラウンドやカットの近くなど、その試合が確かめるに足る重みを持っている
これらのしるしは、誰かが悪いことをしたという意味ではありません。裁定の前に事実を固めるべきだという意味です。
02 盤面を読む
まず、卓の上で確かめられることから始めます。
**必要なことは何でもプレイヤーに尋ねてかまいません。プレイヤーは、ロアガイドの質問に正直に、漏れなく答えなければなりません。**あなたはプレイ中に起きた誤りを見つけて直すためにそこにいるのであり、PCGはトーナメント管理者に嘘をつくことを Cheating(不正行為)として数えています。〔1,2〕
**どのゾーンでも枚数を数えられます。**手札も、デッキも、インクウェルもです。そして場にあるカード1枚ごとに、エグザートかレディか、ダメージはいくつか、乾いているかを尋ねられます。そのターンにインクしたカードはターンが終わるまで表向きのままなので、このターンのインクは目で見えます。〔3〕
プレイヤーの側にも情報を得る権利があり、これはあなたの質問する権限とは別のものです。各プレイヤーは、公開ゾーンのカードを見たり数えたりでき、非公開ゾーンのカードの枚数はいつでも数えられ、場のカードの状態について尋ねることができます。尋ねられたカードの持ち主は、漏れなく正しく答えなければなりません。〔4,5,6〕
要となるルール: プレイヤーは、非公開ゾーンのカードの枚数をいつでも数えられる。〔5〕
大会ルールは、プレイヤーに宣言の義務も課していて、あなたはそのひとつひとつについて対戦相手に尋ねることができます。
- ターン行動でカードをインクするとき、プレイヤーはそのカードのフルネームを言う。〔6〕
- ロアを得たり失ったりしたとき、プレイヤーは変化と新しい合計を宣言する。〔6〕
- **両方のプレイヤーが、強制の効果を指摘する。**対戦相手のカード上の効果であってもです。〔6,7〕
「〜してもよい」の効果については黙っていてもよいのですが、ルールはそれでも声をかけることを勧めています。ですから、プレイヤーの語る直近2ターンの話が、そのプレイヤーが宣言しなければならなかったことと食い違うなら、そこを尋ねてください。
03 ルールを使って、何が起きたのかを突き止める
**ルールは「何が起こりえたか」を狭めます。**その限界を、そのまま使えます。
インクウェルを数える。プレイヤーは、インクウェル・シンボルを持つカードを公開し、全員が確かめてから、裏向きでインクウェルに置くことでインクします〔8,9,10〕。これは1ターンに1回です。〔11〕5ターン目の終わりの時点で、毎ターンインクしてきたプレイヤーのインクウェルは5枚です。4枚なら、どこかのターンで飛ばしたか、このターンまだインクしていないかです。6枚なら、効果が足したか、誰かがルールを破ったかで、どちらなのかを突き止める必要があります。
数えるときに2つ覚えておいてください。ひとつ、効果がカードを直接インクウェルへ置いたとき、そのカードは公開されず、1ターン1回の行動にも数えられません〔12,13〕。だからこそPCGは、インクウェルについて「全部が分かる」ではなく「ほとんどが分かるはず」と書いています。〔14〕ふたつ、**並び順には何の意味もありません。**プレイヤーはインクウェルを好きなように並べてよいからです。〔15〕
要となるルール: プレイヤーは、1ターン1回の行動でインクウェルに加えるカードをすべて宣言し公開することが求められているので、 インクウェルのほとんど(全部ではないにせよ)は分かっている情報であるはずである。〔14〕
カードを数える。各プレイヤーは7枚で始まり〔16〕、各ドローステップで1枚引きます(最初のターンの先攻プレイヤーを除く)。〔17〕それを初期手札に足し、効果で引いたり探したりしたカードを足し、手札・インクウェル・場・捨て札にあるカードと、効果でデッキに戻ったカードの合計と比べます。2つの合計が違うなら、引き算して、何枚が説明のつかない分なのかを出し、ターンごとにさかのぼってどこで入ったのかを調べます。Card Count Error(カード枚数の誤り)の修復手順は、適用する前にまさにそれを突き止めることを求めています。〔18〕
ロアを組み立て直す。各プレイヤーは、変化のたびに新しい合計を宣言してきたはずです。〔6〕ロケーションを持つプレイヤーは毎ターンのセットステップでそのロアを得〔19〕、クエストしたキャラクターのロアの値を得ます。**両方のプレイヤーと一緒に、クエスト・ロケーション・効果を順にたどって足し上げてください。**いまの合計にたどり着けないなら、どこかのターンで誰かが数え間違えたということであり、どのターンを見ればよいかが分かったということです。
**デッキリストとデッキケースを確かめる。**大会ルールは、登録されたリストを「そのプレイヤーがどのカードでプレイするつもりだったか」の最終的な答えとして扱います〔20〕。PCGは、デッキケースの中の余分なカードをデッキの一部として数えます。例外は、イベントのプロモカードと、インクウェル用の代用カードだけです。〔21〕紙のリストを手書きで直していれば、その直しが見えます。Ravensburger Play Hub から提出していれば、いつ提出したかが見えるので、「前の晩にデッキを変えた」という主張を確かめられます。
卓の上の記録を探す。プレイヤーは、両方のプレイヤーから見える限り、電子機器を使ってよく、公式アプリ(Companion)は承認されたロアの記録手段です〔22〕。ルールは書いたロアの合計も勧めています。〔23〕記憶から組み立て直す前に、まず記録を見せてもらってください。
04 何が起きたのかを突き止める
プレイヤーの言い分が食い違い、盤面だけでは決まらないとき、決まった順序で進めます。まず考えうる限り小さな対応でその順序を示し、それから本物の対応で示します。
**小さいほう。プレイヤーが「相手はこのターンもうインクしている」と言い、相手が否定します。あなたはインクウェルの枚数をターン数と突き合わせ、この試合でインクを足す効果があったかを尋ね、このターンのまだ表向きのカードを探します。**30秒で終わりますが、これが方法のすべてです。2つの言い分、確かめられる1つの事実、1つの裁定。
**本物のほう。**プレイヤーAが《アリエル – 麗しい歌姫》をプレイします。〔24〕その能力「末っ子の初登場!」は、デッキの上から4枚を見て、歌・カード1枚を公開して手札に加えてよく、残りをデッキの一番下に置く、というものです。
この「公開」は飾りではありません。そのカードを手札に加えるための条件であり、公開がなければ4枚とも一番下に行きます。Aが能力を解決し、プレイヤーBがあなたを呼びます。Bは「Aは公開しなかった」と言い、Aは「歌・カードだった、見せた、Bが見ていなかっただけだ」と言います。
**第一に、2人が一致していることを固めます。**2人とも、Aが《アリエル》をプレイし、4枚を見て、1枚を手札に加え、3枚を一番下に置いた、とは言っています。食い違っているのは公開だけです。これを先にやるのは、争点を1つの事実に絞り、誰も争っていない事実についてあなたが質問しなくて済むようにするためです。
第二に、考えられる説明を全部並べます。
- Aは歌を取り、見せたが、Bに見えないほど速かった
- Aは歌を取り、見せるのを忘れた
- Aは歌を取り、見せたが、ちょうどその瞬間にBが目をそらしていた
- Aは歌ではないカードを、間違えて取った
- Aは歌ではないカードを、そうでないと知りながら取った
最初の4つは、あなた自身が扱う誤りです。最後の1つは「Aが何をしようとしていたか」という問いで、それはリードロアガイドのものです。
**最初の質問をする前に並べてください。**どの説明を支えるのかが分かっていなければ、答えを聞いても何の意味もありません。
**第三に、説明のひとつひとつについて「ほかに何が真でなければならないか」を考えます。**Aが歌・カードを取ったのなら、Aはいま歌・カードを持っているはずです。その後にプレイしたり歌ったりしていなければ。そして、それは場と捨て札を見れば分かります。Aが別のものを取ったのなら、間違いであれそうでなかれ、**見つかる歌はありません。**Bは、その瞬間に自分が何をしていたかを話せますが、それは一瞬についてのBの話であって、記録ではありません。
**逆向きの問いも立ててください。「いま自分が有力だと思っている説明を、覆すとしたら何か」。**そして、それを探しにいってください。
第四に、確かめる手間を時計と比べます。試合を1分を超えて止めたら、止めた時間と同じだけの時間延長をプレイヤーに与える義務があります。〔25〕手札を見るのは数秒なので、**おそらく何も決まらないとしてもやってください。**前の対戦相手3人を捜し歩くのは何分もかかるので、その答えが裁定を変えうるときだけにしてください。
要となるルール: トーナメント管理者がラウンド中に試合を1分を超えて止めたときは、止めた時間と同じだけの時間延長を与えるべきである。〔25〕
図1 ・ 「末っ子の初登場!」を証拠の表として見る
2人が一致していること Aが《アリエル – 麗しい歌姫》をプレイし、デッキの上4枚を見て、1枚を手札に加え、残り3枚を一番下に置いた。
食い違っている唯一の事実 **Aがカードを公開したかどうか。**Aは「歌・カードだった、見せた、Bが見ていなかった」と言う。Bは「Aは公開しなかった」と言う。
5つの説明。うち4つはあなたが扱う
- Aは歌を取り、見せたが、Bに見えないほど速かった
- Aは歌を取り、見せるのを忘れた
- Aは歌を取り、見せたが、ちょうどBが目をそらしていた
- Aは歌ではないカードを、間違えて取った
- Aは歌ではないカードを、そうでないと知りながら取った ―― これはあなたの問いではなく、リードロアガイドの問い
| どこを見るか | 何が見つかるか | どの説明に合うか | 何が決まるか |
|---|---|---|---|
| Aの手札 | 歌・カードがある | **5つすべて。**Aが歌を取ったのかもしれないし、もともと持っていて別のものを取ったのかもしれない | **何も変わらない。**2つの言い分が残り、その間を分けるものが無い |
| Aの手札・場・捨て札 | 手札に歌がなく、この試合でプレイも歌唱もされていない | 後ろの2つ(歌ではないカードを取った) | 絞られる。Aの言い分は誤り。ただしAが知っていたことは示さない |
| その瞬間についてのBの話 | Aがカードを取る間、Bが何をしていたか | 5つすべて | **何も変わらない。**一瞬についての片方の話。見ていた人でも公開を見落としうる |
裁定できること、できないこと カードがAの手札に入った。そして能力は、Aが公開した歌・カードについてのみそれを許す。手札に歌が無く、プレイも歌唱もされていないなら、Aの言い分は誤りで、そのプレイは General Rule Error(一般的なルールの誤り)である。Aはいまカードを公開し、その項目の Caution または Warning を受ける。そして誤りの瞬間への巻き戻し(rewind)を認められるのはリードロアガイドだけである。手札に歌があるなら、2つの言い分を分けるものが無いので、もっとも確からしい説明で裁定し、それがどれなのかを言う。Aが歌でないと知りながら選んだかどうかは意図についての問いであり、リードへ行く。
この表の読み方 **どの言い分にも合う観察は、何も教えてくれません。**書き留めて、脇へ置いてください。ある言い分と矛盾する観察は、その言い分を否定します。それ以上のことは言いません。なぜその言い分が誤っていたのかまでは教えてくれません。
図1の内容: この節の事例を証拠として並べたもの。2人が一致していること、食い違っている1つの事実、 頭に置いておくべき説明、そしてどこを見ると何が変わり、何が変わらないのか。手札を見るのは数秒なので、 ほとんど何も決まらないと分かっていても見る。1分を超える中断は、同じ時間をプレイヤーに返す義務を生む。〔25〕
第五に、見て、見立てを更新します。Aの手札の歌・カードはどの説明にも合うので、見つかっても何も絞れません。2つの言い分と、その間を分けるものが無い状態のままです。ですから、もっとも確からしい説明で裁定し、それがどれなのかを言ってください。
カードが求める形での公開が行われなかった、と結論するなら、それは General Rule Error です。他のどの項目にも当てはまらない、試合中の違反のための項目で、Aはいまカードを公開し、その項目の Caution または Warning を受けます。〔26〕Bが、実際に行われた公開から目をそらしていたのだと結論するなら、そう言ってください。何も壊れていません。そして2人ともそれを聞くべきです。
**手札に歌が無く、その後プレイも歌唱もされていないなら、絞れます。**Aが取ったものが何であれ、それは歌ではありませんでした。**ですからAのプレイについての言い分は誤りであり、能力が許していないカードが手札に入ったことになります。**同じ General Rule Error で、誤りの瞬間への巻き戻しを認められるのはリードロアガイドだけです。〔26,27〕
この結果から何を読み取るかには注意してください。これはAの言い分を否定しますが、Aが知っていたことは示しません。効果が許さないカードを選ぶのはふつうの間違いであり、PCG自身の General Rule Error の例にもそれが入っています。《うろたえるのじゃ!》を、効果が戻すには高すぎるコストの《ラティガン – 犯罪王》に使ったプレイヤーです。〔26〕
残るのは、Aが歌でないと知りながらそのカードを選んだのかどうかであり、その問いはリードのものです。引き継ぐ時機は最後の節にあります。
第六に、正しい地点で止めます。「これ以上手に入れられる事実のどれも、裁定を変えない」ときか、「筋の通る確認をすべてやって、なおひとつの説明が他より確からしい」ときに、あなたは終わっています。確信が持てないことは、質問を続ける理由にはなりません。
最後に、裁定します。もっとも確からしい説明を、出典と、その違反が当てはまる理由を添えて、一文で述べてください。言葉を濁さないでください。Investigations I は、「プレイヤーが意図的にやったのか」が問われるときにどれだけ確信が要るかを扱います。問われているのが何が起きたかであるときは、プレイヤーに説明できる、もっとも確からしい説明が、あなたの裁定です。
05 前提が争われているルールの質問
ルールの質問に聞こえるものを持ってこられることがあります。プレイヤーが「このキャラクターでチャレンジできますか」と尋ね、そのあとで、そのキャラクターをこのターンに出したのか前のターンに出したのかで2人の言い分が食い違っていると分かる、といった場合です。
このターンに出したキャラクターは塗りたてで、チャレンジするキャラクターとして宣言できません〔28,29〕。ですから、**事実を固めるまで、ルールの質問には答えられません。**そのキャラクターの持ち主は、尋ねられたらインクが乾いているかどうかを述べなければならず〔6〕、盤面にも証拠があります。このターンにインクしたカードはまだ表向きですし〔3〕、インクウェルの枚数がターン数を数えています。事実を固めてから、ルールを当ててください。
いま現在それ自体が不正な盤面を見つけることもあります。たとえば、意志力以上のダメージを負ったキャラクターがまだ場にいるような場合です。ゲームをそのまま続けるなら、General Rule Error の修復手順が、プレイヤーが続ける前に、いま不正なものを処理するよう指示しています。〔26〕そこまではあなたの仕事です。
それより前へさかのぼるのは別の問題で、**どこまで戻るかによって、その権限の持ち主が変わります。**Enforcement クラス06 が全体を扱います。
- **どのロアガイドも、プレイヤーの直近のプレイについて Takeback(直前のプレイの取り消し)を認められます。**ただし、そのプレイによってプレイヤーが情報を得ていた場合と、得たかどうか判断できない場合は、断らなければなりません。〔30,31〕
- **ゲーム自身のルールが、不正な行動を取り消します。**プレイヤーが、それが始まる直前まで戻します。〔32〕
- 直近のプレイより前への巻き戻し(rewind)を認められるのは、リードロアガイドだけです。〔27〕
ルールの質問そのものが手に負えないなら、ルール クラス06 が教えたとおりにしてください。**そう言って、調べるか、同僚に尋ねる。**その時間は延長でまかなえます。
06 事例
手札が1枚多い。プレイヤーの手札が、あるべき枚数より1枚多い。前の節の方法で数え、合計を引き算して何枚が説明のつかない分かを出し、ターンごとにさかのぼって、いつ入ったのかを調べます。
もし観戦者が、プレイヤーの膝の上から手札へカードが移るのを見ていて、枚数がその観戦者の見た数と一致するなら、**あなたは何が起きたのかを突き止めたことになり、それは数え間違いではありません。**膝から手札へ届いたカードは、Cheating の項目が述べているたぐいの行為です〔2〕。そこで止めて、最後の節のとおり、対応を上へ引き継いでください。
誰も何も見ておらず、数えると1枚多いがその瞬間がはっきりしないなら、数え間違いとして扱い、その項目の Caution または Warning とともに Card Count Error の修復手順を適用します。手札にあるべきカードを特定し、残りから無作為に取り除き、取り除いたカードをデッキの無作為な部分に混ぜ込みます。〔18〕
**ロアの争い。**5ターン目で、2人のロアの合計が3ずれていることが分かり、**2人とも自分の数え方に自信があります。**各プレイヤーは、得るたびに新しい合計を宣言してきたはずです〔6〕。**2人と一緒に、クエストごと、ロケーションごとに、試合をさかのぼってください。**そして各段階を、盤面と、卓の上の記録と突き合わせてください。たいていは、数が分かれたターンが見つかります。
**このさかのぼりは、2人が見ている前でやってください。**それが、Enforcement クラス09 の教えるロアの裁定の伝え方です。片方の誤った合計が、対戦相手の判断を実際に変えたと示せるなら、Information and Communication Error(情報と伝達の誤り)を適用します。そして、その判断の時点への巻き戻しを認められるのはリードだけであることを忘れないでください。〔33〕どうしても合計を合わせられないなら、リードへ持っていってください。コインで決めないでください。
**結果についての争い。**試合結果と結果コードは、報告の前に両方のプレイヤーが確認しなければならず〔34〕、スコアキーパーが Play Hub に記録を持っています〔35〕。**まずその記録を確かめてください。**対戦相手の知らないうちに記録を書き換えたプレイヤーは、PCG自身の例によれば不正行為を行っています〔2〕。そうだと分かったら、上へ引き継いでください。
07 ルールの質問ではない対応
**観戦者からの報告。**違反を見た観戦者は、プレイヤーにゲームを止めてもらい、見たことは言わずにロアガイドを呼びに行くべきです。〔36〕**観戦者の話は、卓から離れて聞いてください。**そのうえで、**プレイヤーとは通常どおりの対応を行ってください。観戦者の話は証拠のひとつであって、判決ではありません。**観戦者が代わりに卓で違反を告げてしまっていたら、Enforcement クラス05 の Outside Assistance の項目を適用します。
観戦をやめてほしいという要望。プレイヤーは、特定の観戦者に自分の試合を見ないよう、いつでも求めることができ、大会ルールはその要望にロアガイドが関わることを想定しています。〔36〕**理由を尋ねずに認めてください。**ひとつ例外を覚えておいてください。カードの取り扱いに介助が必要なプレイヤーのために指名された観戦者は、そのプレイヤーが何をしようとしているかについて簡単な質問をしてよく、プレイへの助言は決してしてはいけません。〔36〕
**鎮めるための中断。**試合を止めてよい理由は2つです。不正な行動と、鎮める必要のある状況です。〔1〕**2つ目の理由は、早めに使ってください。**プレイヤーが怒ることに腹を決めてしまう前です。その時点で入れる中断のほうが、はるかに効きます。
08 熱くなった卓
卓が熱くなると、プレイヤーはあなたに答えるのをやめ、互いに言い合いを始めます。毎回、同じ順序を使ってください。このクラスは手順の順序を渡します。それぞれの中で何をするかは Enforcement クラス09 が教えます。
- **2人を引き離す。**互いの声が聞こえないところまで。
- **1人ずつ話を聞く。**まず話を最後まで一度通して聞き、そのあとで具体的な質問をする。
- 決める。
- 決定を1人ずつに伝え、相手が反応するのを、その反応に答えずに受け止める。裁定に負けたばかりの人に要るのは、反論ではなく、ひと呼吸です。
- それぞれに、続けられるかどうかを尋ねる。
- 2人を戻し、その卓にとどまるか、別のロアガイドを座らせる。ゲームが再開するまで。
プレイヤーが指示を拒んだら、結末を一度だけ、落ち着いて告げてください。トーナメント管理者の指示を無視したプレイヤーは Unsporting Conduct – Major(重大な非スポーツマン的行為)に当たり、両方の欄で Match Loss です。〔37〕これを言う必要はめったにありませんが、知っておいてください。
09 ほかの役員と組む
**会場であなたが唯一の役員であることは、めったにありません。**そして、これはそのことが効いてくる対応です。
**同僚を呼ぶ。**ルールについて第二の意見が欲しいとき、盤面についてもう一組の目が欲しいときです。かかるのは1分で、延長でまかなえます。そして、それが役員が裁定を正しくする方法です。
プレイヤーは、どのロアガイドの裁定にもリードロアガイドへ不服を申し立てることができ、リードの裁定が最終です。〔38〕そして、**取り消すのが難しい、あるいは不可能なことが行われる前に、その機会を得る権利があります。**あなたがリードでないときは、**その機会を与えてください。**毎回その権利を知らせる義務はありませんが、**裁定のあと、カードが動く前に、ひと呼吸置いてください。**どちらのプレイヤーも「納得できない」と言えるように。引き継ぎそのものは Enforcement クラス09 が、リードが申し立てをどう扱うかは Enforcement クラス14 が扱います。
直近のプレイより前へさかのぼる直し方を口にする前に、リードを呼んでください。巻き戻しを認められるのはリードだけだからです。〔27〕Enforcement クラス04 の言い方をそのまま使ってください。「これは巻き戻しに当たるかもしれません。リードを呼んできます。」
対応を上へ引き継ぐときは、卓から離れたところでリードに伝えてください。まず事実を、あなたが突き止めた順に。そのあとで、考えていた裁定があればそれを。そして一歩下がり、リードがプレイヤーの話を聞く間、何も言わないでください。リードは、あなたの結論を通してではなく、プレイヤーの話をそのまま聞く必要があります。そしてあなたの話は、3つのうちの1つです。
10 このクラスが止まるところ
ここまでのすべては、間違い、うっかり、勘違いのどれかが問題を起こしたという前提に立っています。そして、ほぼいつでもそのどれかです。
**あなたの組み立て直しが、別の形で終わることがあります。残っている説明が、「何が起きたか」ではなく「プレイヤーが何をするつもりだったか」についてのものになったときです。そこで止めてください。**上に述べたとおり、**リードロアガイドへ対応を引き継いでください。**Investigations I が、その時点でリードが何を決めようとしているのかを、Investigations II が、リードがそれをどう決めるのかを説明します。
そこへ向かう途中で、2つの習慣を守ってください。
- **怒っているときに調べないこと。**卓に苛立たされているなら、同僚を呼んでください。
- **プレイヤーにペースを握らせないこと。**プレイヤーは、押しが強く、声が大きく、自信に満ちていて、なお間違っていることがあります。裁定を変えるのは、事実が変わったときだけです。
11 演習: 「末っ子の初登場!」
3人1組で行います。プレイヤー2人とロアガイド1人です。
始める前に、A役のプレイヤーが3つの真相からひとつを秘密に選びます。
- Aは歌・カードを取り、見せたが速すぎた
- Aは歌ではないカードを取り、歌だと信じていた
- Aは歌ではないカードを、そうでないと知りながら取った
ロアガイドは、Bが手を挙げた瞬間から対応を始め、裁定するか、上へ引き継ぐところまで進めます。Aの手札を見せてもらうよう求めてもかまいません。
終わったら話し合ってください。2人が一致していたのは何だったか。最初の質問の前に、ロアガイドはどの説明を頭に置いていたか。どの確認を最初にやり、それにいくらかかったか。その結果が、それぞれの説明に何をしたか。ロアガイドは、その結果が示す以上のことを読み取っていなかったか。そして、正しい地点で止められたか。
目安は10分です。
12 対応のひと目まとめ
- 言い分と、盤面と、枚数が合わないことに気づく。
- ゾーンを数え、カードの状態を尋ね、プレイヤーが宣言すべきだったことを確かめる。
- インクウェルの枚数、カードの枚数、ロアの履歴、デッキリスト、卓の上の記録を使う。
- 一致していることを固め、説明を並べ、それぞれが何を意味するかを確かめ、確かめる手間を時計と比べる。
- ルールを当てる前に、争いのある事実を固める。いま不正なものは直す。巻き戻しはリードに任せる。
- 観戦者からの報告、観戦をやめてほしいという要望、熱くなった卓の手順に従う。
- 必要なら同僚を呼ぶ。プレイヤーに不服を申し立てる機会を与える。リードには事実から伝える。
- 残った問いが「プレイヤーが何をするつもりだったか」になったら、すぐに上へ引き継ぐ。
Enforcement クラス03 は、このクラスのどの裁定も拠り所にしている訂正の措置の仕組みを扱います。トラックの後半の Investigations I は、このクラスが対応を引き継いだところから始まります。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| taking a call | 呼ばれたときの対応 | 「電話対応」ではない |
| Caution / Warning / Game Loss / Match Loss | 原語のまま(注意/警告/そのゲームの敗北/その試合の敗北) | PCGの日本語版が無いため |
| General Rule Error | General Rule Error(一般的なルールの誤り) | PCG 2.4 |
| Card Count Error | Card Count Error(カード枚数の誤り) | PCG 2.3 |
| Information and Communication Error | Information and Communication Error(情報と伝達の誤り) | PCG 3.6 |
| Outside Assistance | Outside Assistance(外部情報の参照) | PCG 3.8 |
| Unsporting Conduct – Major | Unsporting Conduct – Major(重大な非スポーツマン的行為) | |
| Cheating | Cheating(不正行為) | |
| Takeback | Takeback(直前のプレイの取り消し) | 大文字の定義された用語。普通の言葉に溶かさない |
| rewind | rewind(巻き戻し) | リードロアガイドだけが認められるもの。ゲームのルール自身による取り消しとは別 |
| time extension | 時間延長 | |
| drying / dry | 塗りたて/乾いている | 総合ルール 5.1.1.11 / 5.1.1.12 |
| private zone / public zone | 非公開ゾーン/公開ゾーン | |
| Tournament Official | トーナメント管理者(要確認) | 日本語版イベントルールでの呼称は未確認 |
要確認: 本文中の card 名は、タカラトミーの日本語版カード名に合わせています (《アリエル – 麗しい歌姫》「末っ子の初登場!」、《うろたえるのじゃ!》、《ラティガン – 犯罪王》)。 既訳の
rules-02.mdには日本語版と異なるカード名(《ベル – 変わり者》など)が残っているので、 揃えるかどうかは要判断です。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。