enforcement · Class 04 · 約20分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス04 Rule Errors(ルールの誤り)
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 04 “Rule Errors” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-04-rule-errors/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約20分 / 小テスト10問
対象: PCGの最初の、そしてもっとも使う節に進む準備のできたフロアのロアガイド。ルール クラス02・03・05 が、ここでの修復手順が直すルールそのものを教えます。ルール クラス06 が対応の受け方を、Enforcement クラス03 が訂正の措置の仕組みを教えます。
このクラスで身につくこと
- 試合中の正直な間違いを、PCG自身の境界の問いを使って正しい項目に振り分けられる
- 誘発能力の見落としの修復手順を順番どおりに進められる。対戦相手の選択と、自分で気づいたプレイヤーの扱いを含めて
- Hidden Information Error の2通りの修復手順と Card Count Error の4通りを、手を付ける前に非公開の集合を調べたうえで適用できる
- General Rule Error を適用できる。何を含むのか、誰が巻き戻しを認められるのか、巻き戻さないときに何を直すのか
訳注: 違反の名前と訂正の措置の名前は英語のまま残し、初出で日本語の説明を添えます。 プレイ修正指針(Play Correction Guidelines, PCG)の日本語版は公開されていないためです。
プレイ修正指針のセクション2が、このクラスの備える試合中の間違いを扱います。
Rule Errors は、ふつうのカードゲームで起きる正直な間違いです。忘れられた誘発能力、裏返ってしまったカード、余分なドロー。そして訂正の措置もそれに見合って軽く、4つの項目はどれもCasual** の欄では Caution**(注意)〔1,2〕で、ひとつの種類の中で3回目の Warning になって初めて段階が上がります。〔3〕
気を配るべきは修復手順のほうです。修復手順を誤ると、誤り自体よりも悪い状態でゲームが残ります。
この節の項目は、どれも同じ形で書かれています。**その違反が何か、その例、レベルごとの訂正の措置、理由、そして修復手順。**読み方は Enforcement クラス03 が扱っています。裁定は、ルール クラス06 の一文で伝えてください。違反の名前、このレベルでの訂正の措置、当てはまる理由、そして直し方。〔4〕
01 Missed Trigger(誘発能力の見落とし)
プレイヤーが誘発能力を見落とす、あるいは、それがゲームの状態に影響する前に、その存在を認識していることを示せなかった場合です。〔1〕
認識は、そのプレイヤーの行いに現れます。だからPCGの例は、どれも振る舞いについてのものです。
- 《アースラ – 七つの海の騙し屋》で歌を歌い、そのあと別のキャラクターでチャレンジする
- 《先生 – 7人のこびとのおかしら》でクエストし、そのあと次にプレイするキャラクターのコストを満額で支払う
- 《ピート – わるもん》が場にいる状態でアクションをプレイし、そのあとピートでチャレンジして「3ダメージ」と言う〔1〕
止まって、誘発能力を解決するか、行動へ進む前にただその名前を言ったプレイヤーは、何も見落としていません。
ゲームの状態をはっきりさせておく責任は両方のプレイヤーにあり、PCGは、そこに対戦相手のカード上の強制の誘発を指摘することも含まれると述べています。〔1〕大会ルールも、ゲーム中の開かれた伝達を同じように求めています。〔5〕
「〜してもよい」の効果については、誰も誰かに思い出させる義務はありません。ただしPCGは強く勧めています。そうするほうがゲームは楽しく、迎え入れる場になるからです。〔1〕
誘発能力に見えて、そうではないものがひとつ。プレイヤーがセットステップにロケーションから得るロアは、誘発能力ではなく強制のターン行動です。PCGはこの項目の中でそう述べています。〔1〕仕組みは ルール クラス02 にあります。〔6〕忘れられたロケーションのロアは、代わりに巻き戻しの基準のほうへ行き、その基準が名指ししています。そして巻き戻しを認められるのはリードロアガイドだけです。〔7〕
修復手順は、項目が述べている順番どおりに進めてください。
図1 ・ 誘発能力の見落としの修復手順
手順1 その見落としは、ターンが一巡するより前のことか?
はい → 何も起きない。プレイヤーに続けるよう伝える
いいえ → 手順2へ
手順2 その能力に「ターン終了時まで」のような継続期間があり、
それがすでに過ぎているか?
はい → 何も起きない。プレイは続く
いいえ → 手順3へ
手順3 対戦相手が選ぶ。いまその誘発をバッグに入れるか?
はい → 手順4へ
いいえ → 見落とされたままになる。プレイは続く
手順4 ただちに解決する。
・本来その誘発が解決していたはずの時点では
できなかった選択は、いまもできない
(たとえば、まだ場にいなかったキャラクターなど)
・効果が「〜してもよい」だった場合、
その選択は「いいえ」だったものとみなす
**プレイヤーが自分で気づいた場合。**アクティブ・プレイヤーが、自分のターンが終わる前に自分の見落としに気づいたなら、修復手順は行い、訂正の措置は出しません。
図1の内容: 各手順は PCG 2.1 の修復手順を、項目が示す順に並べたもの。あわせて、 自分で見落としに気づいたプレイヤーについて項目が述べていることも含む。〔1〕訂正の措置は下記。
訂正の措置は、両方のレベルで Caution です。これはPCGの中では珍しいことです。〔1〕誘発能力には行動の要素が無いので、忘れたことが高くつくべきではないからです。
例外がひとつ。競技イベントでは、その誘発が、見落とした本人に不利だったはずのものであった場合、訂正の措置は Warning に上がります。〔1〕これは、都合のいい忘れ方、つまり見落とした誘発が、そのプレイヤーにとって損になるはずだったものである場合を押さえるためです。
02 Hidden Information Error(非公開情報の誤り)
プレイヤーが、見てよいことになっていないカードを見てしまった場合です。〔8〕
例は、ふつうに起こりうる形ばかりです。インクウェルのカードが裏返ってしまう、ドローのときにデッキの一番上のカードが落ちる、《シスー – 神聖なる水の竜》の誘発能力を解決するプレイヤーが、能力がそう指示していないのにデッキの上から3枚を見る。〔8〕
Context が態度を決めています。手先の滑りや読み間違いを厳しく罰するべきではないので、Casual の欄では Caution、競技イベントでは Warning で、より注意してプレイするよう指導することに重きが置かれます。〔8〕
**何かを直す前に、調べてください。**PCGは、インクウェルのような非公開の集合が関わる状況を扱う役員に、それについてできる限りの情報を調べて確定することを求めています。そして、なぜそれがたいてい可能なのかも述べています。1ターン1回の行動でインクされたカードはすべて宣言され公開されているので、インクウェルのほとんどは分かっている情報であるはずだからです。〔9〕その組み立て直しは Enforcement クラス02 が教えます。ルール クラス05 がプレイ中に守らせるよう求めていることが、あとでこの修復手順を成り立たせます。
インクウェルのカードが見えてしまった場合、修復手順は、そのカードがどうやってインクウェルに入ったかで変わります。
- 通常の1ターン1回のインク行動で入った場合: カードを対戦相手に公開し、インクウェルに戻す。〔8〕対戦相手は入るところを見ているので、公開しても、その人がまだ見ていないものは何も見せません。
- それ以外の手段で入った場合: 対戦相手に公開し、そのプレイヤーのデッキに混ぜ、デッキから無作為な1枚と入れ替える。〔8〕効果が置いたカードは宣言もされず、公開もされていない〔10〕ので、いったん見られてしまえば、裏向きに戻しても何も隠せません。
どちらの場合も、PCGは「自分のインクウェルのカードを見ることはルール違反であり、さらに違反があれば Unsporting – Cheating として扱われる」と強く念を押すよう指示しています。〔8〕
Cheating は、有利を得るために意図的にルールを破ることです〔11〕。ですから2回目が起きたら、それがどう起きたのかを突き止めてください。意図的に見たプレイヤーは不正行為をしています。もう一度の事故は、もう一度の Hidden Information Error であり、その種類で3回目の Warning は Game Loss になります。〔3〕
そもそもこの状況を防ぐものは ルール クラス05 にあります。インクウェルのカードを、卓上のほかのどの裏向きのカードとも区別しておくこと、そしてどれがどれか分からなくなった瞬間に、ロアガイドを呼ぶことです。〔12〕
インクウェル以外で見えてしまったカードは、そのプレイヤーのデッキの、誰も内容を知らない無作為な部分に混ぜ込みます。見えたカードが集合の一部だった場合 ―― 能力が許していないのに見た上から3枚、といった場合 ―― 見えた枚数と同じ枚数のカードを無作為に選び、それも同じく無作為な部分に混ぜ込みます。〔8〕
**この追加のカードが、覗き見を無価値にします。**同じ枚数の未知のカードが混ざることで、プレイヤーは、自分が見たのがどの位置だったのかもう分からなくなります。
03 Card Count Error(カード枚数の誤り)
プレイヤーの手札またはインクウェルの枚数が正しくない場合です。〔13〕
例は、ルールの土台から見覚えのあるものばかりです。1ターン1回のドローで2枚引く、《魚の骨ペン》でインクウェルに2枚置く、先攻のプレイヤーが最初のターンにドローする。〔13,14〕
Casual の欄では Caution、競技イベントでは Warning です。**これらの誤りはよく起き、たいていは悪意がありません。**それでも項目が訂正の措置を付けているのは、悪用の余地があるからです。〔13〕
PCGは、この項目と Hidden Information Error を分ける問いを渡してくれます。
見えたカードはいまどこにあり、それはまだ同じ集合の一部**か。 一部なら Hidden Information Error。カードがひとつの非公開ゾーンから別の非公開ゾーンへ移っているなら Card Count Error。〔13〕
倒れてしまった一番上のカードは、見えはしましたが、まだデッキの一部です。余分に引かれたカードは、デッキから手札へ渡っています。毎回、まずこの問いを立ててください。2つの修復手順は、違う損害を直すものだからです。
修復手順には4つの枝があり、そのどれもが「調べること」から始まります。
| 少なすぎる | 多すぎる | |
|---|---|---|
| 手札 | 差の枚数だけ引くよう、プレイヤーに指示する | **どのカードが手札にあるべきかを調べる。**残りから無作為に、枚数が合うまで取り除く。取り除いたカードをデッキの無作為な部分に混ぜ込む |
| インクウェル | **どのカードが足りないのかを調べる。**その正体が分からない場合は、**デッキから無作為な1枚を裏向きで加え、プレイヤーはそれが何かを知らない。**足りない1枚ごとに1回 | **どのカードがインクウェルにあるべきかを調べる。**残りから無作為に、枚数が合うまで取り除く。取り除いたカードをデッキの無作為な部分に混ぜ込む |
どのマス目も PCG 2.3 の修復手順です。〔13〕無作為であることが効いています。調べて特定できたカードはあるべき場所に残り、残りのうちどれになるかは**プレイヤーではなく偶然が決めます。**ターン行動以外でインクウェルに入るカードは、そこでも公開されないまま届く〔10〕ので、足りないインクウェルへの補充は裏向きで入り、それが何だったのかは誰にも分かりません。
04 General Rule Error(一般的なルールの誤り)
Hidden Information Error でも Card Count Error でもない、試合中のあらゆるルール違反です。〔2〕
定義はひとつの除外を述べています。「〜してもよい」という語を使う効果を見落としたプレイヤーは、この違反を犯しておらず、ほかのどの違反も犯していません。〔2〕
例はゲーム全体にわたります。暴勇を持つキャラクターでクエストする〔15〕、効果が戻すにはコストが高すぎる《ラティガン – 犯罪王》に《うろたえるのじゃ!》をプレイする、《マーリン – リス》の誘発能力を解決してカードを捨て札に置く、《BE PREPARED》に誤ったコストを支払う。〔2〕
Casual の欄では Caution、競技イベントでは Warning です。そして Context は何より一貫性を求めています。この種類が意図的に広く取られているからです。〔2〕
修復手順は2つの選択肢を与えます。誤りの時点までゲームを巻き戻す(rewind)か、ゲームをそのままにするか。〔2〕
巻き戻しは PCG 1.2 の規律のもとで行われます。1つずつ行動を戻し、両方のプレイヤーが内容を知らなかったドローについては無作為なカードを戻し、そして「ゲームをそのままにするほうが著しく悪い」ときに限って行います。〔7〕認められるのはリードロアガイドだけです。〔2,7〕フロアのロアガイドの正直な一文はこれです。「これは巻き戻しに当たるかもしれません。リードを呼んできます。」
**ゲームをそのままにする場合、飛ばしやすい指示がひとつあります。プレイヤーが続ける前に、いま不正になっているものを直すこと。**PCGの例は、意志力以上のダメージを負ったまま場に残っているキャラクターです。〔2〕
「ゲームをそのままにする」とは、履歴に手を付けないという意味であって、不正な盤面を放置するという意味ではありません。
05 プレイが取り消される3つの道
**第一に、ゲーム自身が不正なターン行動を取り消します。**支払いは戻り、起きるはずだった誘発は起きなかったことになります。〔16〕大会では、その同じ不正なプレイが General Rule Error でもあり、大会ルールはロアガイドに2つの扱い方を与えています。Takeback を認めるか、部分的な巻き戻しを行って、適正な行動だけを使って続けるようプレイヤーに指示するかです。〔17〕
第二に、Takeback(直前のプレイの取り消し)。プレイヤーが自分の直近のプレイを戻したいと申し出て、ロアガイドが大会ルールの条件のもとでそれを認めるものです。その条件は、そのプレイによってプレイヤーが情報を得ていた場合に、認めることを拒みます。〔18,19〕Enforcement クラス06 が全体を教えます。
第三に、rewind(巻き戻し)。解決済みの履歴へさかのぼるもので、認められるのはリードロアガイドだけであり、PCG 1.2 の基準のもとで行われます。〔7〕忘れられたターンのドローやロケーションのロアといった、強制のゲーム行動の見落としは、誘発能力の見落としの修復手順ではなく、この同じ基準のほうへ行きます。〔7〕
**卓で引用する前に知っておきたい言い回しがひとつ。**TR 3.7.2 は、不正なプレイをしたプレイヤーが「warning を受ける」と、小文字で書いています。〔17〕PCG 2.4 の欄は、Casual の欄では Caution、競技イベントでは Warning と述べており、大会ルールはその違反の名前を挙げてPCGを参照しています。ですから、あなたが働いているレベルの欄を読んでください。〔2〕
06 どの項目が当てはまるか
卓では、この順に。
- 誰も解決しなかった誘発能力か? → Missed Trigger。図1を進む
- 見てよいことになっていないカードを、誰かが見たか? → **そのカードがいまどこにあるかを問う。**来た集合の一部のまま → Hidden Information Error。ひとつの非公開ゾーンから別の非公開ゾーンへ移った → Card Count Error
- 何も見られておらず、手札かインクウェルの枚数が違うか? → Card Count Error
- それ以外の不正か? → General Rule Error。ただし、見落とされたのが「〜してもよい」の効果なら、違反はまったく無い
そのうえで、ルール クラス06 の一文で裁定を伝えます。違反の名前、このレベルでの訂正の措置、当てはまる理由、そして直し方。
次は Enforcement クラス05。Tournament Errors を扱います。遅刻、スロープレイ、デッキとリストの問題、メモ、マークされたカード、そして外部からの助力です。
用語について(訳者から)
| 英語 | この訳 | 備考 |
|---|---|---|
| Missed Trigger | Missed Trigger(誘発忘れ) | PCG 2.1 |
| Hidden Information Error | Hidden Information Error(非公開情報の誤り) | PCG 2.2 |
| Card Count Error | Card Count Error(カード枚数の誤り) | PCG 2.3 |
| General Rule Error | General Rule Error(一般的なルールの誤り) | PCG 2.4 |
| Takeback | Takeback(直前のプレイの取り消し) | 大文字の定義された用語 |
| rewind | rewind(巻き戻し) | リードロアガイドだけが認められる |
| remedy | 修復手順 | |
| random portion of the deck | デッキの無作為な部分 | 誰も内容を知らない部分 |
| The Bag | バッグ | 総合ルール 7.7 |
| Reckless | 暴勇 | 総合ルール 8.6 |
| Willpower | 意志力 | |
| Set step | セットステップ | 総合ルール 3.2.2 |
カード名と能力名は、タカラトミーの日本語版に合わせています ―― 《アースラ – 七つの海の騙し屋》/《先生 – 7人のこびとのおかしら》/《ピート – わるもん》/ 《シスー – 神聖なる水の竜》/《魚の骨ペン》/《ラティガン – 犯罪王》/《うろたえるのじゃ!》/ 《マーリン – リス》/《BE PREPARED》。
要確認: 原文は「Unsporting – Cheating」という書き方をしています。PCGの節名としての正確な表記は 原典に当たって確認してください。ここでは Unsporting – Cheating(非スポーツマン的行為 ― 不正行為)と 原語のまま残しています。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。