enforcement · Class 13 · 約44分
β版 ― Lore Guide Institute の Localization 担当として作った日本語訳で、Institute 側の確認を経た正式版ではありません。原文と食い違うところがあれば、原典(英語)が正です。
Enforcement クラス13 調査II ― 聞き取り、判断、報告
原典: Lore Guide Institute, Enforcement Class 13 “Investigations II: Interviewing, Deciding, and Reporting” https://institute.lorcanajudges.com/learn/enforcement-13-investigations-interview/ この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。 所要時間の目安: 約44分 / 小テスト10問
対象: リードロアガイドと、リードに調査を持ち込むフロアのロアガイド。 調査I がリードの決めることを説明し、このクラスがリードがそれをどう決め、どう記録するかを説明します。 Enforcement クラス02 が引き継ぎを、クラス06 が巻き戻しを、クラス09 が裁定の伝え方を、 クラス11 が調査に変わるデッキチェックを扱います。
先に読むことを勧めるクラス: Investigations I: Telling Mistakes from Cheating / Takebacks and Rewinds / Communication and De-escalation / Deck Checks
このクラスで身につくこと
- プレイヤーを一緒に聞くか、別々に聞くかを決められる。そして、協力的なプレイヤー、身構えたプレイヤー、 けんか腰のプレイヤーのいずれからも答えを引き出せるだけの具体的な質問ができる
- 直し方より先に違反を決め、その違反に必要な権限のところへ判断を持っていける
- その場にいなかった人にも説明できる判断を伝えられる。そして新しい事実が求めるときは覆せる
- 大会ルールが求める報告書を書いて提出できる。そのとき、自分が観察したこと、プレイヤーが言ったこと、 自分が結論したことを、分けたままに保てる
- よく起きる調査と、それぞれが何を問うているのかが分かる
調査I では、呼ばれた場面が意図を指し示したときに何を決めるのかを説明しました。 このクラスは、人が目の前にいる状態でそれをどう決めるかを説明します ―― 説明を検証される当のプレイヤー、あなたを呼んだ対戦相手、何かを見た観戦者、 問題を持ってきたフロアのロアガイド、そしてあなた。
リードロアガイドは、イベントにおけるルールまたは大会方針のあらゆる争いについての最終的な裁定者であり、 Competitive と Premier Play では、プレイヤーが Disqualification を受けたり大会から退場させられたりしたときの 報告書を書くのもリードです。〔1〕
フロアのロアガイドであってリードでない人も、このクラスを読んでください。 自分が上へ渡した呼び出しが、そのあとどうなるのか、そしてどう渡せば助けになるのかが分かります。
訳注: 違反名・措置名(Cheating、Warning、Game Loss、Disqualification など)は、 プレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)の日本語版が公開されていないため、 原語のまま残し、初出で日本語の説明を添えています。末尾の「用語について」に一覧があります。
要となるルール: リードロアガイドは、ディズニー・ロルカナTCGの大会における ルールまたは大会方針のあらゆる争いについての最終的な裁定者である。 この文書、ディズニー・ロルカナTCG 総合ルール、およびディズニー・ロルカナTCG プレイ修正指針の定めを執行する責任は、リードにある。〔1〕
01 プレイヤーから聞き取る
まず、2人を一緒に聞くか、別々に聞くかを決めてください。
手順について2人の言い分が一致していて、互いに代弁せずにそれを語れるなら、一緒に聞きます。 1つの説明を2人が直しながら話すほうが、1人が語るより良いからです。
次のいずれかになったら、すぐに分けてください。
- 呼び出しの結論を左右する事実について、2人の説明が食い違っている
- 一方が他方の説明を誘導している
- 卓を鎮める必要がある
片方のプレイヤーが相手の説明を聞いてしまったあとでは、そのプレイヤー自身の説明の値打ちは下がります。 そして、2人があなたの前で言い合っている時間が長いほど、それぞれ自身の記憶から得られるものは少なくなります。
プレイヤーが不正な行為をしたときと、状況を鎮める必要があるときは、試合を止めることができます。〔2〕 不正な行為について説明が食い違っている場面は、これに当たります。 分け方の進め方は Enforcement クラス02 が扱います ―― それぞれを1人ずつ聞き、判断し、それぞれに1人ずつ伝え、そのあとで2人を戻す、という流れです。
どの調査でも、必ず両方のプレイヤーと話してください。 観戦者が見たものが自分の見方を変えうるなら、観戦者とも話してください。 違反を目撃した観戦者は、プレイヤーに手を止めてもらい、何を見たかをプレイヤーに告げずにロアガイドを呼びに行くべきとされています。〔3〕
人員に余裕のあるイベントでは、いつでも2人1組で動いてください。 2人目のロアガイドは、証人であり、もう一組の目であり、どちらかがもう一方から学ぶ機会です。
フロアのロアガイドが調査を持ってきたら、引き継ぎは卓から離れたところで受けてください。 まず事実を、起きた順に。そのあとで、フロアのロアガイドが考えていた裁定を。 Enforcement クラス09 が不服申し立ての引き継ぎで行うのと同じやり方です。 そのうえで、あなたがプレイヤーから聞いている間は黙っているよう、フロアのロアガイドに頼んでください。 そうすれば、誰かの結論を通してではなく、説明そのものを新鮮なまま聞けます。 あなたの手元には3つの説明があり、フロアのロアガイドのものはそのうちの1つです。決して「評決」ではありません。
Disqualification Report Form(失格報告書)の指示に従えば、 Disqualification を受けたプレイヤーには「徹底的な調査のうえで、複数の者がこの判断を検討した」と伝えることになります。 そう言う前に、それが本当であるようにしてください。
目の前のプレイヤーに合わせて質問を変えてください。
- 協力的なプレイヤーは、自分の順番で覚えていることを話してくれます。最後まで話させて、 質問は抜けているところのために取っておいてください。
- 何も出してくれないプレイヤーには、一般的な質問ではなく具体的な質問が要ります。 **「何があったんですか?」ではなく「引いたあと、何をしましたか?」**と尋ねてください。 一般的な質問には一般論で答えられてしまいますが、具体的な質問は具体的な事実を要求します。
- けんか腰のプレイヤーには、あなたがその場を仕切っていると見せる必要があります。 始める前に、この会話がどう進むかを伝えてください。 「まずお二人に、順番に、何があったかを話してもらいます。そのあと私から質問します。それから裁定します」。 そして**順番を守らせます。**それでも敵意が続くなら、分けて、別々に聞き取りを終えてください。
この3つのどの場合でも、何を、どの順で尋ねるか、そしていつ会話を終えるかを決めるのはあなたです。 大会運営スタッフの指示に従わないプレイヤーは Unsporting Conduct – Major に当たり、 どちらの格でも Match Loss(その試合の敗北)です。〔4〕 これを口にする必要はめったにありませんが、知っておいてください。
居心地が悪いと感じるより多く質問してください。 2人が互いに何と言い合っていたか、どんな省略のしかたを取り決めていたか、 ゲームの前のほうで何が起きていたか。 「いまどういう状態か」だけでなく「どうやってこの状態になったか」を尋ねてください。 カードを使ってやってみせてくれるよう頼むことは、いまなお、あなたが持っているいちばん有用な質問です。
怒っているあいだは決して調査しないでください。そして、ペースをプレイヤーに決めさせないでください。 プレイヤーは、しつこく、声を張り、自信満々でいながら、なお間違っていることがあります。 そして裁定を変えるのは、事実が変わったときだけです。 告発する側も、告発される側と同じルールに縛られます。 プレイ修正指針は、対戦相手への措置を要求することと、 裁定を最後まで伝え終わる前に不服を申し立てることを、Unsporting Conduct – Minor の例として挙げています。〔5〕
かかっているものは、一度だけ言ってください。 大会運営スタッフに嘘をつくことは Cheating です。〔6〕 正直な Card Count Error をしたプレイヤーが、そのカードがどうやって手札に入ったかについてあなたに嘘をついたなら、 そのプレイヤーは Disqualification に当たることをしたのです ―― 元の誤りがどれほど無実であったとしても。 プレイヤーが答える前に、これを一度、平たく伝えてください。脅しとしてではなく、情報として。 そのうえで、調査I の規律を自分にも課してください ―― 話は一度だけ聞く、具体的に尋ねる、そして自分が聞き直して作り出した食い違いは決して数えない。
02 先に違反を決める
ここで気をつけるべき間違いは、順番の間違いです。 何が違反だったかを決める前に、巻き戻すかどうかを考え始めてしまうのです。 頭の中で、投了を通り越してゲームを巻き戻していることに気づいたら、そこで止めてください。 他のすべてが依存している問い ―― そのプレイヤーの沈黙は「忘れた」のか「意図的」だったのか ―― を 飛ばしてしまっているかもしれません。 何が起きたかと、プレイヤーがそれを意図したかを決める。そのあとで直し方を決める。
この順番を守ってください。誰がゲームを直してよいかが、どの違反を認定したかで決まるからです。
- どのロアガイドも、プレイヤーの直近のプレイについての Takeback(取り消し)を認めることができます。 そして、そのプレイによってプレイヤーが情報を得ていた場合、または得たかどうか判断がつかない場合は、 認めてはなりません。〔7,8〕
- 直近のプレイより前まで巻き戻すこと(Rewind)を認められるのは、リードロアガイドだけです。〔9〕 General Rule Error と Information and Communication Error の直し方にも、同じことが書かれています。〔10,11〕
- Cheating を認定した場合、決めるべき直し方はありません。 Cheating の項目に直し方は無く、措置はどちらの格でも Disqualification です。〔6〕 プレイヤーはその試合に敗北し、大会を去り、まだ渡されていない賞品を失います。〔12〕
説明が正直なものだったと分かったときは、その項目自身の直し方を、書かれているとおりに当ててください。 Enforcement クラス04 のとおりです ―― 見落とされた誘発(Missed Trigger)のバッグについての選択〔13〕、 または Card Count Error の4つの枝(どちらの組が誤っていて、どちらの向きに誤っているかで分かれます)。〔14〕
要となるルール: 「巻き戻しが正当かどうかの判断はきわめて繊細であるため、 巻き戻しを認められるのはヘッドジャッジだけである。」〔9〕
プレイ修正指針のいう “Head Judge” は、この教材の言い方ではリードロアガイドです。
03 判断を下す
できる限り、プレイヤー自身の言葉で裁定を伝えてください。 そのプレイヤーがあなたに話したことを繰り返し、そこから結論がどう導かれるかを示します。 裁定の説明について Enforcement クラス09 が教えることは、すべてここに当てはまります。 措置の理由を述べ、なぜこの違反に当たるのかを言うことを求めるプレイ修正指針の要求も含みます。〔12〕
口を開く前に、心の中でテストをしてください。 事実しか聞いておらず、あなたの言葉を信じる理由を何も持っていない人に、この判断を説明するところを想像するのです。 その聞き手を納得させられない理屈なら、あなたの裁定はまだ整っていません。
進んで自分を覆せるようにしておいてください。 新しい情報によって判断が誤りだったと分かったら、その判断を覆します。 新しい証拠で覆すのは、方法が働いているということであって、弱さではありません。
ここでは、正反対の2つの間違いがありえます。そして、その両方を視野に入れておかなければなりません。
- **1つは、証拠が正当化している Disqualification から後ずさりしてしまうこと。**伝えるのがつらいからです
- もう1つは、疑いで、態度で、あるいは「イベントの健全性のために」という理由で、 説明できる証拠なしにプレイヤーを Disqualification にしてしまうこと。 これは、現実の人間に現実の害を与えます
この2つのあいだに立ち続けるには、調査I の基準を守ることです。 証拠と、声に出して言える理屈に裏づけられた、いちばんありそうな説明に基づいて裁定する。 Disqualification に喜びを見いださないこと。1件も必要なかった日を喜ぶこと。 そして、証拠が正当化しているものからは後ずさりしないこと。
04 記録と報告
運営スタッフは Warning から上をすべて記録して追跡し、Caution は決して記録しません。〔12〕 記録は Ravensburger Play Hub に保たれ、措置を出した当人が入力します。 書類は事の大きさに見合わせてください。Warning は Play Hub の1行、Disqualification は報告書です。
Competitive と Premier Play のイベントでは、プレイヤーを Disqualification にしたとき、 あるいはそれ以外の理由で大会から退場させたとき、その出来事についての報告書を書き、 公式の Tournament Disqualification Form を通じて Ravensburger に提出します。〔1〕 この用紙自身の指示が、イベント当日にすべきことを教えてくれます。必要になる日より前に、それを知っておいてください。
- 何について、なぜ Disqualification にするのかをプレイヤーに説明する。 落ち着いて、しかし毅然と。謝らないこと。 そして、徹底的な調査のうえで複数の者がこの判断を検討したことを伝える
- そのうえで、陳述を集める。用紙はあなた自身の陳述を必須としています。 そして、Disqualification を受けたプレイヤー、目撃者や他のプレイヤー、他のロアガイドからの陳述を推奨しています。 プレイヤーには紙とペン、またはあとから安全に陳述を送れる手段を差し出し、急かさないでください。 プレイヤーが知る必要があるのは、その機会があることと、心の準備ができたときに使えることです
- Disqualification を Play Hub のイベントに入力し、Disqualification を受けた全員を挙げる
- **そのうえで報告書を提出する。**関連する書類をすべて添えて、 大会終了後7日以内に
要となるルール: Competitive および Premier Play の大会において、プレイヤーを Disqualification にするか、 それ以外の理由で大会から退場させなければならない場合、リードロアガイドはその出来事についての 報告書を書き、公式の Disney Lorcana TCG Tournament Disqualification Form を通じて Ravensburger に提出しなければならない。〔1〕
図1 ― 報告書を組み立てる
【1番目】 自分自身の陳述
他人の陳述を読む前に書く(読める字かどうかの確認だけは先にしてよい)。
記入欄: 書いた時刻
記入欄: 書いた人 = リードロアガイド
【2番目】 他のすべての陳述を、書いた本人の書いたとおりに
1人につき1通、編集しない。用紙は口頭のものを受け付けないので、書面のみ。
できれば英語で、無理なら翻訳するか、そのままにしておく。
記入欄: 書いた人の氏名
記入欄: Play Hub のメールアドレス
記入欄: Play Hub のユーザー名
【3番目】 報告書本体
まずイベントと時刻の情報。簡潔に、失格に至った出来事に絞る。
そのあとで、判断に関わる背景 ―― そのプレイヤーの経験の度合いや、過去の措置など。
記入欄: イベント名・日付・会場
記入欄: 関係者の氏名・Play Hub のユーザー名
【4番目】 証拠と結論
行ったテストのそれぞれと、その結果。自分の結論に対する賛否両方の証拠と、
それをどう量ったか。結論と、その典拠。そして、どれくらい確信しているかを言葉で。
記入欄: 証拠 = 何が観察され、誰によって観察されたか
記入欄: 結論 = いちばんありそうな説明
記入欄: 確信の度合い = 言葉で述べる
【5番目】 Play Hub
Disqualification をイベントに入力し、Disqualification を受けた全員を挙げる。
【最後】 公式の Disqualification Report Form から提出
関連するすべての書類を添えて、大会終了後7日以内に。
なぜこの順番なのか
自分自身の陳述を最初に書くのは、他の説明に色をつけられないためです。 すべての陳述を編集せずに入れるのは、誰が何を言ったのかが報告書に残るためです。 そうすれば、イベントにいなかった読み手も、報告書だけからこの判断を評価できます。
完成した報告書の例
架空の出来事です。「5枚目」のデッキチェックの、入れ替えの話がすべてではなかったほうの真実に基づいています。 それぞれの記入に、それが何であるかの札が付いています。
| 種別 | 内容 |
|---|---|
| 観察 ― 私自身の陳述、14:52 に記入 | 第6回戦のデッキチェックで、デッキは60枚だった。《BE PREPARED》が5枚、《風よ吹け》が3枚。Play Hub から提出されたリストには、どちらも4枚と登録されている。デッキボックスにはイベントのプロモが2枚入っており、他には何も無かった。デッキの他のカードは、どれもリストと相違ない。 |
| 陳述 ― プレイヤー本人、書面で | 「前の晩に《風よ吹け》を1枚《BE PREPARED》と入れ替えて、リストを直し忘れました。抜いたカードは家にあります。」 |
| 観察 ― 私が行ったテストと、それぞれの結果 | デッキをリストに合わせることはできない。《風よ吹け》の4枚目はデッキボックスに無く、プレイヤーも持っていなかった。Play Hub の記録では、リストの提出はイベント当日の朝 09:40 であり、プレイヤーが述べた晩より後である。提出時刻を示したうえでも、プレイヤーは同じ説明を変えずに繰り返した。 |
| 結論 ― 認定と、どれくらい確信しているか | Deck/Registration Error – Major。リストを書き換えなければならないため(PCG 3.4): Game Loss。この説明は、述べられたままでは成り立たない。そしてプレイヤーは記録を見たあともそれを維持した。これは大会運営スタッフに嘘をつくことに当たる(PCG 4.4): Disqualification。提出時刻については確信している ―― これは記憶ではなく記録だからである。5枚目がいつデッキに入ったのかは、私には言えない。そして、この認定はそこに依拠していない。 |
用紙が求める順番で、求める記入欄を空欄のまま並べたものと、 そのあとに「5枚目」のデッキチェックから書き起こした完成した報告書を1つ置きました。 完成した報告書は、そこで保たれている分離に注目して読んでください ―― ロアガイドが観察したこと、それぞれの人が自分の言葉で言ったこと、 そしてロアガイドがその2つから結論したこと。
大会ルールは、Competitive と Premier Play で、プレイヤーが Disqualification を受けたり それ以外の理由で退場させられたりしたときには、必ずこの報告書を求めます。〔1〕 Warning 以上はすべて Play Hub に記録され、Caution は決して記録されません。〔12〕 順番、期限、記入欄は用紙自身のもので、2026年9月7日時点の実物の用紙と突き合わせてあります。 最後の手順にその用紙へのリンクがあります。出来事は架空のものです。
用紙の指示は、この教材が本来なら「技術」として教えていたはずのことにも触れています。 そして図1はその順番を守っています ―― 自分自身の陳述を最初に、他人のものを1つも読まないうちに書くこと。そうすれば他の説明に色をつけられません。 そのあとで、他のすべての陳述を、書いた本人の書いたとおりに。英語が難しいなら、その人自身の言語で。 最後の欄、「どれくらい確信しているか」は、調査I で量ることを学んだ確信を、いま書き留めたものです。
イベントにいなかった人が、報告書だけからこの判断を評価できるように書いてください。 確定させた順に事実を並べ、行ったテストのそれぞれと、その結果、 自分の結論に対する賛否両方の証拠と、それをどう量ったか、そして結論とその典拠を書きます。 怒っているあいだに書かないでください。
別のところへ行く出来事が2種類あります。
- 大会に参加していない観戦者が、報告を要する振る舞いをした場合は、 主要なイベント・プレイヤー・観戦者の情報を添えた短い連絡を lorcanaop@ravensburger.com へ送ります。〔12〕
- 誰かが誰かに対して身体的な暴力をほのめかした場合(運営スタッフに対するものも含みます)、 それは Unsporting Conduct – Severe です ―― Disqualification、安全に行える手段による会場からの退去、 そしてトーナメント主催者が選ぶなら、地元当局の関与。〔15〕 主催者は、その人物を今後のイベントから締め出すこともできます。〔16〕
大会ルールが報告書を求めるのは Competitive と Premier Play です。 Entry-level のイベントでは、Play Hub への入力が、文書の求める記録です。 店舗イベントでプレイヤーを退場させたなら、用紙が後に続くかどうかにかかわらず、 自分の控えのために陳述を書いておいてください。
05 よく起きる調査
申し出、引き分け、賞品の山分け
プレイヤーは、対戦相手に投了を求めてはならず、投了や意図的引き分けの見返りに何かを 申し出ても受け取ってもならず、そのような申し出を受けたときはロアガイドを呼んで報告しなければなりません。〔17〕 申し出そのものが違反です。
これはタイミングの上で意味を持ちます。 申し出を聞いてから割って入るロアガイドは、すでに起きたことに応じているのであって、 間違いを未然に防いでいるのではありません。したがって試合を止める権限の範囲内です。 プレイヤーはたいてい、行動する前にその理屈を口に出して話します。 ですから、申し出が形になっていくところに居合わせることは、よくあります。 上位進出の枠が結果で決まる卓と、片方が引き分けからより多くを得る最終ラウンドの組み合わせを見ていてください。
文書は、段階が進むごとにより重く扱っています。
- 大会ルールは、投了を求めること自体を禁じています。そして繰り返し求めるプレイヤーは Unsporting Conduct – Minor に当たります。〔5〕
- 見返りに何かを申し出たプレイヤーは Improper Match Result に当たり、 Casual の欄では Match Loss、Competitive の欄では Disqualification です。 同じ項目は、大会運営スタッフに対してなされた申し出も扱います。〔18〕
- イベントのどの部分についてであれ、金銭その他を賭けたプレイヤーは、同じ措置を受けます。〔19〕
意図的引き分けは合法であり、そこから2種類目の申し出が生まれます。 プレイヤーが引き分けを求められるのは1試合につき1回だけで、見返りに何も申し出てはならず、 対戦相手が引き分けの見返りに何かを申し出た場合はロアガイドを呼ばなければなりません ―― 投了と同じです。〔17〕
賞品の山分けが共謀のルールの中で認められるのは、 残っているプレイヤー全員が自由意志で同意し、山分けの前に運営スタッフへ伝え、 そして誰も試合の結果について話し合わない場合だけです。〔16〕 最後の条件を満たさない山分けは、名前を変えた同じ申し出です。
試合の組み合わせが付いた状態でドロップしたプレイヤーは、その試合を投了したことになります。〔20〕 ですから、ラウンド中の「対価を伴うドロップ」は、プレイヤーがそれを何と呼ぼうと、対価を伴う投了です。
プレイヤーが使った言葉ではなく、プレイヤーが意味したことに基づいて裁定してください。 「投了」「引き分け」「ドロップ」は取り違えやすい言葉であり、 言葉を間違えたプレイヤーが、そのことによってその言葉の違反を犯したことにはなりません。
見落とされた強制効果
プレイヤーには、明確なゲームの状態を保つことが期待されており、それには 強制効果をその都度指摘することが含まれます ―― 対戦相手のカードの効果であっても。 このルールにおいて、大会ルールは強制効果を「テキストに『〜してもよい』という語が無い効果」と定義しています。〔21〕
ですから、それについて黙っていたプレイヤーは、必ず説明を要することをしたのです。 そして、あなたが調べなければならない問いは、そのプレイヤーが気づいていたかどうか、それだけです。 忘れることは Cheating ではありません。このクラスはそれを変えません。 気づいていて何も言わなかったプレイヤーは、プレイ修正指針の Cheating の最初の例が描いているものです。〔6〕
沈黙が正直なものだったと分かったときは、直し方は「何が見落とされたか」で決まります。 そして、強制効果のすべてが誘発型能力であるとは限りません。 それぞれの事例を、それ自身の項目へ振り分けてください。
- 見落とされた誘発型能力は Missed Trigger です。 誘発をいまバッグに入れるかどうかは対戦相手が選び、 見落とされた「〜してもよい」は辞退したものとして扱われます。 そして****Competitive** の欄では、その誘発が見落とした本人に不利に働くはずだったとき、措置は Caution ではなく Warning です。**〔13〕 Enforcement クラス04 が、この項目のタイミングの枝を ―― 何もしない枝も含めて ―― 通して扱います
- 見落とされた強制のターン行動は誘発ではありません。 Missed Trigger の項目自身が、セットステップでロケーションが得るロアについてそう述べています。〔13〕 これらは巻き戻しの判断基準のほうへ行き(その基準は、ターンのドローとロケーションのロアを例として挙げています)、 巻き戻しを認められるのはリードロアガイドだけです。〔9〕
- 単純に不正な盤面は General Rule Error であり、その直し方はこの場合を名指ししています ―― 意志力以上のダメージを負ったまま場に残っているキャラクター。 巻き戻すかどうかにかかわらず、プレイヤーが続ける前に、いま不正なものを正してください。〔10〕
リードしている側の遅延プレイ
プレイ修正指針は Slow Play をペースの問題として扱っています。 ほとんどのプレイヤーは、自分が遅くプレイしていることに気づいていません。 ですから、まず一声かけ、そのうえで****Casual** の欄では Caution、Competitive の欄では Warning** を出し、 時間切れが宣言されたときにまだ続いているなら、試合終了時の手順で2ターン分を追加します。〔22〕
時計を使い切るためにわざと遅くプレイすることは、まったく別のことです。 それは Cheating であり、プレイ修正指針の例は、 第1ゲームに勝ったプレイヤーが、対戦相手がマッチポイントを得られないように第2ゲームを遅らせる、というものです。〔6〕 この2つのあいだに「遅延行為」という項目はありません。
順位表だけから意図を証明することは決してできません。 しかし、1ゲーム先行していて、このゲームでは負けているプレイヤーが、上位の卓で、 「ゲームが終わらなければ試合に勝てる」〔23〕ちょうどその瞬間に遅くなったのなら、 よく見るべき十分な理由があります。 そして見るのは物理的なものです ―― 時計に対して何ターン進んだか、そして、どの判断に時間がかかったか。
デッキチェックで見つかったもの
Enforcement クラス11 は、3つの事例をあなたに残しています。 そのどれも、このクラスの内容を練習するのに向いています。
1つ目。デッキチェックで、リストに4枚と登録されているカードが5枚見つかり、 プレイヤーは前の晩にデッキを変えたと言っています。 話がどう転ぶにせよ、デッキについての認定は文書どおりです。 デッキをリストに戻せるなら Minor で Warning、リストそのものを書き換えなければならないなら Major で Game Loss。〔24,25〕 あなたの調査は、その「話」についてのものです。 プレイヤーが1枚を別の1枚と入れ替えたのなら、入れ替えて抜いたカードはどこかに存在します。 そしてリストにはその変更が現れます ―― 手書きの訂正としてか、入れ替えより後の Play Hub の提出時刻としてか。〔26〕 Practice ページのシナリオ SC-12 が、この事例を通して扱います。
**2つ目。リミテッドのデッキに強いカードが入っていて、プレイヤーは「バインダーから紛れ込んだ」**と言っています。 プール(使用可能カードの一覧)を確かめてください。 そして、その話は「そのセットのカードが入ったバインダーが、そのプレイヤーの持ち物のどこかにある」ことを含意している のを覚えておいてください。
**3つ目。**並べ替えの最中に規則性が見つかりました。たとえば、あるインク1種のカードがすべて、わずかに明るいスリーブに入っている。 その印を、プレイヤーが悪用できるほど容易に見分けられるかどうかを決めるのはリードであり、 それが Competitive のイベントで Warning を Game Loss に格上げするものです。〔27〕 そして、プレイヤーがその規則性を意図的に作ったかどうかは、 そのプレイヤーがどうスリーブに入れたか、いつ入れたか、誰が手伝ったかによります。 狙いを定めたデッキチェックそのものが、1つの調査上のテストであることを覚えておいてください。 デッキは大会中いつでもチェックしてよいからです。〔28〕
不正を申し立てる不服申し立て
裁定に不服を申し立てたプレイヤーが、その一部として対戦相手の不正を訴えたなら、 そのプレイヤーはフロアの裁定の見直しを求めているのではありません。 そのプレイヤーは新しいことを求めているのであり、あなたはそれを最初からの新しい調査として扱います。 不服申し立てそのものは Enforcement クラス14 が扱います。
06 見て学ぶ
調査を網羅するフローチャートはありません。状況の幅が広すぎるからです。 この技術は、経験から築かれる判断力であり、運営スタッフはそれを主として「見せること」で伝えています。 新しいロアガイドが、実際の呼び出しで経験のあるロアガイドと一緒に動き、 のちには経験のある側が、今度はその人を見ます。
新鮮な目は、どの経験の段階でも価値があります。 何年も一緒に働いてきた集団は、自分たちの癖に気づかなくなるからです。
難しい呼び出しのあとは、必ず「進め方」についての振り返りをしてください。 誰も尋ねなかった質問はどれか、誰も集めなかった証拠はどれか、 調査した本人が次はどうするか。 結果はそこに持ち込まないこと。そして、その運営スタッフの値打ちの話は、いっさい持ち込まないこと。
07 練習: 報告書を書く
調査I の「5枚目」の事例を、自分たちの組が実際にやって終わったとおりに取るか、 Practice ページのシナリオ SC-12 を取り、 Competitive と Premier Play で大会ルールが求めるとおりの、リードロアガイドの報告書を書いてください。
確定させた順に事実を並べ、行ったテストのそれぞれとその結果、 プレイヤーに有利に働いた証拠と、それをなぜ脇に置いたのか、あるいはなぜそれが優ったのか、 認定、典拠つきの措置、そしてどれくらい確信しているかを書きます。
図1に、同じ事例で書かれた完成した報告書が1つあります。自分のものを書いてから読んでください。 そのうえで、その場にいなかった人に報告書を渡し、何が起きたのか、そして判断が筋が通っているかを言ってもらってください。 言えないなら、その報告書はまだ出来上がっていません。 所要時間は約12分です。
08 調査のまとめ
- 時刻を控え、プレイヤーを一緒に聞くか別々に聞くかを決め、何も動かさない
- **それぞれの話を、一度、まるごと聞く。**説明が食い違ったらすぐに分ける。 観戦者が見たものが自分の見方を変えうるなら観戦者からも聞く。具体的に尋ねる
- それぞれの説明が含意するものを、安いテストから順に試す。 そして、見る前に、それぞれの結果が何を意味するかを分かっておく
- 先に違反を決め、次にそれが必要とする権限を決め、 説明できる、いちばんありそうな説明に基づいて裁定する
- プレイヤー自身の言葉で、理由と違反を添えて裁定を伝える
- **Warning 以上は Play Hub に記録する。**退場させたときは報告書を書く。 自分自身の陳述を最初に。プレイヤーに有利に働いた証拠も、その中に入れる
- 終わったら、進め方を振り返る
このクラスの小テストに合格すると Investigations バッジが得られます。 Enforcement クラス14 が、不服申し立てそのものを ―― 不正を申し立てる不服申し立てを含めて ―― 扱います。
用語について(訳者から)
プレイ修正指針(Play Correction Guidelines / PCG)の日本語版は公開されていません。 そのため、違反名と措置名は原語のまま残し、初出で日本語の説明を添えています。 日本語の説明は、この訳のための説明であって、公式の訳語ではありません。
| 原語 | この訳での書き方 | 意味 |
|---|---|---|
| Cheating | Cheating | 不正行為 |
| Disqualification | Disqualification(失格) | 試合に敗北し、大会を去り、未授与の賞品を失う |
| Match Loss | Match Loss(その試合の敗北) | |
| Game Loss | Game Loss(そのゲームの敗北) | |
| Warning / Caution | Warning / Caution | 記録される警告/記録されない注意 |
| Unsporting Conduct – Minor / Major / Severe | 原語のまま | 非スポーツマン的行為(軽度/重度/深刻) |
| Improper Match Result | Improper Match Result | 不適切な試合結果 |
| Card Count Error | Card Count Error | カードの枚数の誤り |
| General Rule Error | General Rule Error | 一般のルール違反 |
| Information and Communication Error | Information and Communication Error | 情報・伝達の誤り |
| Missed Trigger | Missed Trigger(見落とされた誘発) | |
| Slow Play | Slow Play(遅延プレイ) | ペースの問題として扱われる |
| Deck/Registration Error – Minor / Major | 原語のまま | デッキ・登録のエラー(軽度/重度) |
| Takeback | Takeback(直近のプレイの取り消し) | どのロアガイドも認められる |
| rewind | 巻き戻し(Rewind) | リードロアガイドだけが認められる |
| Head Judge | ヘッドジャッジ | プレイ修正指針の語。この教材ではリードロアガイド |
| Tournament Disqualification Form | 原語のまま | 公式の失格報告用紙 |
| Play Hub | Play Hub | Ravensburger の運営システム |
| Entry-level / Competitive / Premier Play | 原語のまま | イベントの格。日本語版イベントルールでの呼び方は要確認 |
| concede / concession | 投了 | 「降参」「譲歩」にしない |
| intentional draw | 意図的引き分け | |
| drop | ドロップ | |
| Play Correction Guidelines | プレイ修正指針(原題併記) | 日本語版は未公開 |
| Tournament Rules | 大会ルール | 日本語版の「イベントルール」とは別の文書 |
要確認: 原文の “casual” / “competitive” は、プレイ修正指針の表の2つの列を指しています。 ここでは「カジュアルなイベント」「競技的なイベント」と訳しましたが、 日本語版イベントルールでの呼び方は未確認です。
要確認: 原文の “pool list”(リミテッドで使用できるカードの一覧)は「プール(使用可能カードの一覧)」と訳しました。 日本語版イベントルールでの呼び方は未確認です。
訳注: 報告書の例に出てくるカード名は、日本語版のカード名に置き換えました。 Be Prepared は日本語版でも《BE PREPARED》、Let the Storm Rage On は《風よ吹け》です。
この日本語版は Lore Guide Institute のコンテンツをもとにしています。原典: このクラスの英語版。日本語化はロルカナギルドによるもので、誤りがあればこちらの責任です。